2003年10月05日(日) |
4番河野、決勝2ラン!(横浜創学館vs藤嶺藤沢) |
◇秋季神奈川大会決勝 藤嶺藤沢高 400 000 000 4 横浜創学館 300 020 03× 8 (横浜創学館は初優勝)
4−3と藤嶺1点リードで迎えた5回裏創学館の攻撃。1死一塁で打席に4番の河野桂太郎が入った。藤嶺ベンチは、2番手の左腕鈴木をあきらめ、マウンドに3番手の山田を送る。昨日の商大戦で見事なリリーフを見せた山田。130km後半のストレートを武器とする藤嶺の抑えのエースだ。
投球練習をしている最中、創学館の森田監督は河野をベンチに呼んだ。 「カーブは打つな。ストレートだけ待っておけ」 昨日は投球の9割がストレートだった。4番を迎えての代わりっぱな、武器であるストレートで来る。監督の読みを、河野に伝えた。 「監督の指示通り、ストレートだけを待っていました。打った瞬間、行ったと思いました」 河野の顔がほころぶ。 0−1から投じられた真ん中ストレートをフルスイング。快音残した打球は、レフトスタンドへと吸い込まれていった。 河野はガッツポーズを連発しながら、ベースを一周した。ベンチでは仲間がハイタッチで迎える。仲間と喜び終えると、河野はベンチ前で上空に向かって何やら吠えていた。河野は180センチ、85キロという大柄な身体全体で喜びを爆発させていた。「早くベンチに戻って」と主審が促すほどだった。 「ほんと嬉しかったです。最高です!」
「この日のホームランで何本目?」 「15本目です!」 即座に答えが返ってきた。 普通こういうことを訊くと、「だいたい何本です」とか「数えてません」など、あいまいなことが多い。でも河野は違う。 「ちゃんと数えてるんだ?」 「ハイ。ホームラン打ちたいんで」 小学校の頃から、プロ野球中継を毎日のように見ていた。目を奪われたのは、4番バッターが放つホームラン。それに憧れて野球を始めたという。4番に対する意識は相当高い。 「自分、4番じゃなきゃイヤなんです。4番でホームランを打ちたいんですよ」 こう言い切る高校生はなかなかいない。 「目標にしている選手は?」 「清原さんです」 これも即答だった。 いまの河野のポジションはファースト。打順は4番。かつての清原とまったく同じである。
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