みのるの「野球日記」
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2003年09月13日(土) 小技(横浜商大vs武相)

 横浜商大のグラウンドに行くのは今日が2度目。
 初めて足を運んだのは去年の8月はじめ。中学校野球の神奈川県大会決勝(東林中対上溝中)だった。その決勝は前日に保土ヶ谷球場で行われたのだが、降雨により翌日再試合に。再試合の会場が横浜商大だった。
 試合開始は何時だったか忘れたが……、とにかく朝早かった。そんな中、商大の選手は中学生よりも早い時間に来て、グラウンド整備をしていた。試合中も得点板やファウル拾い係りは商大の選手たち。高校の試合ならともかく、中学校の試合で申し訳ない……と思ったことを覚えている。
 試合を終えたあと、ぞろぞろとグラウンドに集まってきた選手の中に、練習着の背中に「給前」と書かれた選手を発見。「ほ〜。あれが給前かぁ。小さいなぁ」と思った記憶もある。

 決勝を戦った東林中と上溝中。東林中の1番ショート加藤大吾は、いま日大藤沢の2番ショートとして試合に出場している(今日負けてしまったけど)。上溝中の1番ショート稲葉通久は、桐蔭学園に進み、足のスペシャリストとして代走で起用されている。稲葉はとにかく足が速い。桐蔭が好みそうな選手だ。
 東林中のエース忠本孝英は慶応義塾でエース……の予定だったが、故障でベンチ外。オープン戦では絶好調だっただけに悔やまれる。主将でショートを守っていた黒崎裕は、加藤と同じく日大藤沢でベンチ入り。忠本とともに、一冬越えた成長に期待。
 上溝中のエース新垣俊次(兄は今年センバツに出場した国士舘・新垣勇人)は相模原総合で2番手(3番手?)投手として活躍中。
 そのほか、横浜隼人、法政二、相武台などにそれぞれ進学。甲子園目指して頑張れ!

 というわけで、横浜商大グラウンドで行われた秋季大会3回戦。観客の多さにびっくりした。主将の菊地亮太は「甲子園に出てから、お客さんが増えました。すごく嬉しいです」と笑顔。甲子園効果というのか、出場する前と後で、注目度が全然違う。選手のやる気も(違ってはいけないけど)違ってくる。

 試合は先に結果から書くと、12−2で横浜商大が6回コールド勝ち。伝統校の武相が相手だったので、もう少し接戦を予想したが、正直いまの武相では相手にならなかった。
 
 商大の先発はエースの田澤純一。「給前以上」とも噂されている投手だ。『ホームラン』で大絶賛されていたことも、それに拍車をかけた。
 今日のピッチング内容は6回を完投し、3安打、4三振、2四死球、2失点。球種はストレート、スライダー、カーブ。今日見る限り、決め球はスライダー。給前のように、随所に緩いカーブも投げていたが、それが甘く入ることが多かった。コントロールよりも、タイミングを外すことを重視して投げていると思うが。現に給前のカーブも、甘い球が多かったし。
 6回、ランナーを置いてから、明らかに力みだし、ストレートの制球がつかなくなった。2四死球もこの回。今後、接戦の中で、自分をコントロールできるかが課題。球は、2年の秋にしては十分の威力。
 
 横浜の小倉部長がネット裏、一塁側、三塁側とあらゆる角度から、商大を偵察。自分のチームは横浜商大と同じ開始時刻で、大和引地台で試合をしていた。終盤には引地台に向かったのだろうか……。横浜隼人戦より、商大の偵察が大事だったのか、謎。いつも小倉部長から配球の指示を受けている村田浩明捕手にとっては、小倉部長がベンチにいてくれるだけで、精神安定剤になったと思うけど。

 甲子園で得たこと。主将の菊地は「小技。細かいプレーができないと甲子園では勝てないことがわかった」という。甲子園の明徳戦では、バント失敗、走塁ミスで自滅した。といっても、甲子園に出た商大が小技が下手だったわけではない。神奈川大会ではバントはもちろん、エンドランやバスターなどの小技が面白いように決まっていた。もうひとつ上のレベルのチーム、投手と対戦したときに、決めることができるか。菊地は明徳の湯浅、鶴川とも「すごく良い投手だった」と振り返っていた。

 今日の試合。個人的にもっとも光っていたと思うのが、2番サードの楠雄治。4度回ってきた打席で、送りバント、セーフティーバント(安打)、セーフティーバント(安打)、左中間二塁打と大活躍。セーフティーバントはともに左投手のカーブを三塁線に転がしたもの。溜息が出るほど、うまいものだった。ただ、第4打席でもセーフティーを狙ったが、高めのストレートをファウルに。速いストレートを思い通り転がせることが今後の課題となりそうだ。
 楠は夏の準決勝の桐光学園戦で4打数4安打の活躍。初回にバスターを完璧に決めるなど、勝利の立役者となった。甲子園では思い通りの活躍ができなかっただけに、全国レベルでもう一度試合をしたい気持ちは強いと思う。

 チーム全体で今日の犠打数は3つ。盗塁は6つ。犠打の失敗は1つだった。5回、無死二塁から7番杉山がバントを試みるが、ピッチャーへの小フライとなり失敗。そのせいかどうか分からないが、次の回の守備から交替させられた。
 
 商大の4回戦は、横浜市立金沢高校。この夏は吉田幸央のいた城郷に1−4で敗れ、初戦敗退したが、毎年良いチームを作り上げてくる。部長は昨年までY校を指揮していた安達清和先生。城郷戦を見る限りでは、采配は監督に任していたが……。どの程度、指導に関わっているのか、興味深い。
 安達先生は、Y校の前は横浜市立南高校で監督をされており、低迷の続いていた南高野球部を立て直した。Y校ではスポーツ新聞でも大々的に報じられた「解任事件」で、学校を移られたようだが、金沢をどんなチームに作ってきたのか楽しみだ。


武相 000 002  2
商大 104 403 12

HR 菊地(商大・6回2ラン)

<武相 スタメン>
(遊)木村 (2年・新田)
(中)照屋 (1年・武相)
(三)南方 (1年・武相)
(捕)松長 (2年・塚越)
(左)津田 (2年・浜岳)
(一)大曽根(1年・老松)
(二)田中 
(投)宇津木(2年・宮前平)
(右)小林 (2年・境木)

投手
 宇津木
 小柳
 西野

<商大 スタメン>
(遊)武田(2年・大庭)
(三)楠 (2年・上矢部)
(一)菊地(2年・寺尾)
(左)木全(2年・上溝)
(中)河西(2年・京町)
(捕)宮本(2年・南大師)
(二)杉山(1年・瀬谷)
(投)田澤(2年・松本)
(右)西戸(2年・西柴)

投手
 田澤


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