みのるの「野球日記」
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2002年06月21日(金) 夢はいつ叶うの?

数ヶ月前、当時付き合っていた彼女に訊かれた。
「みのるの夢はいつ叶うの?」
 彼女は真顔だった。真剣な眼差しで私を見ていた。私にとって25年間の人生の中で、もっとも衝撃を受けた言葉だった。
 
 5分ほどの沈黙。
 夢って何だよ? おれの夢って何だ? 
 さまざまな考えが頭の中を巡っていた。

「夢はスポーツライターになること」
 1年ほど前まではそう思っていた。周囲にも話していた。もちろん彼女にも。彼女は夢を応援してくれていたし、後押しもしてくれた。1ヶ月の収入が、同年代の男性に比べ、半分程度にも関わらず、文句は言わなかった。でも、「夢はいつ叶うの?」と問い掛けられたときから、歯車は狂い始めた。

 沈黙のあと、「夢なんて、そう簡単に叶うか!」と私は半ばキレ気味で言った。キレ気味だったのは、「今更、そんなこと訊かないでくれよ」という思いも若干含まれていた。

 私の中で「夢」という言葉は、「ほとんど叶えられないもの」というイメージがある。小学生の頃、野球少年なら誰もが書いた「夢はプロ野球選手」と同じぐらい、叶う確率の低いものだと思う。

 今の夢は「スポーツライターになること」ではない。「スポーツライターとして飯が食べられるようになり、自分が書きたいと思うことを書ける場があり、その作品を多くの人に読んでもらうこと」だ。簡単に言ってしまえば、「スポーツライターとしての地位を作り、成功すること」だ。
 
 だからこそ、そう簡単に叶うことではないと分かっている。飯が食べられるようになっても、自分が書きたいことを全く書けていなければ、それは夢が叶ったとは言えない。現在活躍しているライターの方でも、自分が書きたいことを書けている人など、ごくごく僅かだと思う。私の夢は、究極の夢だと思う。

 今、私はスポーツのことを書き、少ないながらも収入を得ている。もちろん書くだけではなく、他の仕事もこなして、お金をもらっている。

 というのもあり、ある人の前で「スポーツライターを目指しています」と口にしたら、「お前はもうスポーツライターなんだよ!」とひどく怒られたことがあった。文章を書いて、世の中の人に読んでもらって、お金をもらっている。れっきとした、プロのスポーツライターだ、自覚を持て、と言われた。収入の大きさは関係ない。

 それならば、1年前の夢はもう叶ってしまったことになる。けれど、自分の中でスポーツライターという意識は全くない。恥ずかしくて、口にも出せない。名刺に「スポーツライター」と肩書きを記す勇気もない。しかし、見る人によっては、「お前はスポーツライターなんだよ」となる。
 
 有り得ない……。名前も売れていない自分が、スポーツライターと名乗ることなんて……。まだまだ、自分の中では当然のことながら、「目指している」段階だ。

 そう、スポーツライターになることは夢ではない。目指せるものだ。夢というとあまりにも遠く離れたものになるが、目指せるもの、目標と捉えれば、非常に身近に感じる。目標は努力すれば、叶うものだ。

 でも、「夢」はそう簡単ではない。だからこそ、彼女の問い掛けに、沈黙した。私がお世話になっているライターは、40歳を過ぎて、ようやく自分のやりたいことが叶いつつあると言っていた。私はまだ25歳。これから夢を掴むために、いかに自分を磨いていくか。

 スポーツライターは夢だった。それが、今は目標になった。今度は「スポーツライターとして生活ができ、書きたいことを書ける」という今の夢。いつの日か、それを夢ではなく、目標と思えるようになりたい。夢との距離を、少しずつ縮めていきたい。


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