2002年04月01日(月) |
生で野球を見る楽しみ |
3月29日から31日まで甲子園に行って来ました。昨年の同じ頃、センバツを見に行って以来、1年ぶりの甲子園。大嫌いなタバコの煙が立ちこめ、個性に富んだ(?)売り子がたくさんいました。甲子園は1年前と何も変わっていませんでした。
3日間で都合6試合を観戦しましたが、一番印象に残った試合は福岡工大城東対宇都宮工です。あのスパイ事件があったからではありません。一塁側内野席で見ていた私には全く分かりませんでしたし、夜のスポーツニュースを見て、初めて知ったほどです。
この試合、延長11回裏福岡工大城東の攻撃でこんなシーンがありました。場面は2アウト二塁。城東のサヨナラのチャンス。 宇都宮工の守備陣に目をやると、外野手は定位置のままでした。ここは1点入れば試合終了。ホームで刺せる位置まで外野を前進させるのがセオリーのはず。 打者に初球を投じ、1ボール。ここで宇都宮工ベンチが外野の守備位置に気づきました。監督が立ち上がり、センターとライトに「前進しろ」と指示を出しました。でも、その声は外野まで届かず。今度は控えの選手全員が立ち上がり、声とゼスチャーで「前だ!前!」と懸命に指示。ですが、センターが少し前に動くだけで、ライトはずっと定位置のままでした。
スタンドから見ていた私は「どうすんの? どうすんの! ライトを前にやらないと!」とイライラ。いや〜な予感がしました。 ふと気づくと、宇都宮工の八城投手がすでにセットポジションに入り、投球を開始。外角に投じたボールをうまく追っ付けられ、打球はライト前へ転がっていきました……。 ライトはキャッチャーへ好返球。けれども、キャッチャーがこれを落球し、福岡工大城東のサヨナラ勝ちとなりました。捕っていれば、おそらくアウトにできたのではないでしょうか。非常に微妙なタイミングでした。
もしベンチの指示がしっかりと届き、ライトが1mでも1歩でも前に出ていたら、結果は変わっていたかもしれません。甲子園は大歓声とその広さのため、指示の声が届きにくいと、良く耳にします。練習試合や地方球場なら、ライトへの指示は的確に届いたと思います。
以前、野球小僧の掲示板で「生で野球を見る楽しみは何か」という議論されていました。私はテレビでは見ることができないシーン、もしかしたら自分しか見ていなかったプレーを目にするチャンスがある。それが楽しみで球場に足を運ぶのだと思います。
|