(仮)日記
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2005年08月13日(土) リア王(舞台)






利賀フェスティバル2005に行って参りました。呉川はその中の、「リア王」を観て来たわけですが。
6年ぶりの世界芸術祭ということで、プログラムもいろいろありました。リア王を観てきたけれど、時間とお金さえあれば「アイアス」とか「イワーノフ」とかも観たかったなあ…。

鈴木忠志演出、シェイクスピア原作、出演はロシア国立モスクワ芸術座の方々でした。
鈴木演出では有名ですよね、リア王。確か去年か今年の頭くらいにNHKの芸術劇場でやっていたような…。観たい観たいと思っていたので、漸く今回念願叶って嬉しい限りです。直前、頭痛に襲われて断念しそうになったけど、無理してでも行った甲斐があった。その節は有難う桐堂。

出演がロシアの劇団ということなので、勿論台詞はロシア語でした。舞台の左右に字幕がありましたので言葉の壁は突破いたしましたが、何せ原作がシェイクスピア。かの、装飾過多な多量の台詞が、時間の関係もあったとは思うのだけれど、随分減らされて減らされて、字幕ともなると必要最低限ですからね。これに関してはやっぱり物足りない感じはしましたが。

でもねえ、さすがに英語もままならない観客にロシア語で捲くし立てられてもついていける筈が無く。役者が話すたびに左右に散る客の視線や頭がさぞ気になったことだとは思うのだけど、その辺は慣れていたりするのかな。

茶色い髪や薄い瞳が居並ぶ中、次女のリーガン役だけは、来日前に骨折だとかで急遽(?)日本人が代役を務めておられました。三島景太さんだそうですが、わかる人にはわかるのかな。ロシア語が闊歩する舞台で、ときたま日本語が聞こえてくると酷く安心感がありました(笑)言葉が違うということで、演りにくかったりはしないんですかね?

舞台は小さな箱のような中で、奥の方には扉なんかもあったりして、その開いている扉の間々に役者さんが並んだときには、まるで飾り時計の人形のようでした。リア王と、長女、次女、三女ですが、三姉妹が全て男の方で、しかも長女と次女には髭!があったんですよ。最初、この四人が前に出てきたときは、三姉妹はいずこ?と半ば本気で思いました…。が、呉川は男優さんが女性を演じるのは大好きです。野太い声で可愛らしい台詞を言うのが楽しくて仕方がない。

三女コーディーリアの出番はかなり少なかったですね。フランス軍のイングランド上陸場面が殆どなかったからでしょうけど。初っ端にちょろっと台詞があった後は国を追い出されているし、最後に死んで登場だからほんとに僅か。端折り方にもよるんだろうけど、ある程度原作の知識がないと場面転換とか何がどうなっているんだとかよくわからないと思う。さらさらっと話が進んでいっていたから。
先ず、誰が何役なのかを把握するので精一杯。やっぱり、言葉が違うと大変ですね。役者を観ていたいんだけど、台詞も気になる。字幕で確認しないと場面についていけない。

真ん中くらいで役者さんが王を中心に並んで、音楽に合わせて腕や手の動きだけで何かを表現していました。曲に合わせて、踊っているようにも見えるんだけど、動くのは両腕までで、指の先まで神経を尖らせて集中していましたよ。あれは観ていて面白かった。一人一人動きが違うからね、目移りするっていうか。
それにしても、音楽の音はでかかったよ。悪くいうと煩かったかなあ。ちょっとね。音量をもうちょっとおとして欲しかったというのが本音。

エドガー役の男優さんがかっこよかった!オーランド似に見えました。彼が気になって仕方なかった。顔見てた(おい)でもキャスト表の顔写真見ると似てないね…。
リア王役の人はさすが主演なだけあって、うまい!(そうでなきゃ主役やってないって)気が触れたときの演技とかね、滑稽なんだけどどこか哀れな感じでね。気が触れるといえばエドガーもなんだよな。車椅子に乗って走り去っていったときの足の動きが気になって。綺麗に爪先まで伸びた足だった。

看護婦さんの行進は何を表しているのかがはっきりしなかった。何だったんだろうあれは。結局、言葉のせいなのか。歌っていたんだけれど、その歌詞までは字幕に出なかったから。

それにしてもよく唾が飛んでましたよ。凄まじく。客席までは届きませんでしたけど、これが掛かっていたら、以前にメデイアを観に行ったときに水を拭かれた以来の快挙でしたが(笑)

最後に鈴木忠志氏本人も舞台に現れてびっくりの一時間半でした。



結論。
言葉がわからない場合、原典を読んでから行きましょう(次はそうするよ…)





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