加藤のメモ的日記
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2023年08月24日(木) |
「デルタ株」襲来 オリンピックはどうなる |
新型コロナコロナウィルスの感染拡大が続ているにもかかわらず、政府な6月20日に緊急事態宣言を解除し、東京オリンピック開催に向けて着々と準備を進めている。6月頭には新型コロナウィルス感染症対策分科会の尾身茂会長の「今の状況で普通は開催しない」という発言もあったが、まるでお構いなしだ。中止という選択肢は完全に断たれた。一方で、「欧米の感染状況と比較すると、日本の被害は10分の1なので、東京オリンピックが開催できないはずはない」という意見もある。
一方で、「欧米の感染状況と比較すると、日本の被害は10分の1なので、東京オリンピックが開催できないはずはない」という意見もある。実際、人口100万人当たりの累計死者数(2021年6月9日時点)は、イタリアが2109人、フランスが1704人、イギリスが1891人、アメリカが1826人であるのに対し、日本は116人だ。一桁少ない。しかしながら、状況は刻一刻と変化している。とりわけ従来型よりも格段に感染力が高い変異株が猛威を振るっている現状においては、より注意が必要だ。
昨年一年間の日本の累計死者数は、約3500人だったがアルファ株(イギリス型の変異株)が猛威を振るい始めた今年1月以降、約半年で累計死者数は約15000人にまで急増しているからだ。すなわち、イギリス型の変異株によって半年で1万人もの人が死亡しているのだ。そして、いま世界中で心配されているのが、デルタ株(インド型の変異株)だ。デルタ株はアルファ株よりもさらに感染力が高いといわれている。
ウィルスの感染力を示す指標に「実行再生産数」(R1)と呼ばれるものがある。すでに感染が広がっている状況において、一人の感染者が次に平均で何人に感染させるかを示す数字だ。従来型コロナウィルスのR1は1.26から1.84お間だ。この約1.32倍程度と推測される。ところがイギリスのデータによれば、デルタ株のR1は5以上と、従来型の約2.8倍にもなるという。日本政府は1日100万回の目標を掲げ、ワクチン接種を急ピッチで進めているが、必要回数のワクチン接種が人口の約48%で完了しイギリスでは、デルタ株の猛威によって感染者数が急増している。
「東京都健康安全研究センター」が6月上旬に行ったスクリーニング検査によると、都内の陽性者数の約3割からデルタ株が検出されており、日本でもデルタ株の感染拡大は現実のものとなっている。いつイギリスのような感染急増が起きてもおかしくないのだ。こんな状況下でオリンピックを開催するならば、腹をくくって緊急事態宣言を7月上旬から中旬まで延長すべきだったのではないか。
前回の緊急事態宣言は3月21日に解除されたが、アルファ株が急速に拡大し、約1か月後の4月25日に再び緊急事態宣言を発出する羽目に陥っている。宣言を出しては引っ込めのいたちごっこを繰り返している間にも、変異株の猛威は刻一刻と広がる。
オリンピック開催強行、そして場当たり的なコロン対策。この間の政府の対応を国民はどう評価するのか。ジャッジの場である解散総選挙は、スポーツの祭典終了後間もなくやってくる。
週刊現代 7.10
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