加藤のメモ的日記
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2019年04月20日(土) すべての死に至る病はのどから始まる ��

食事中にむせる/胸焼けがする/飲み込むのがつらい

「のど力」低下は、死に至る病の始まり

最近、食べられなくなったあなたへ

最近、以前よりも食欲がなくなった。あるいは空腹は感じても、食べることがしんどくなってきた。そんな人は「のど力」が低下して、飲み込む力が落ち込んでいるサインかもしれない。いくら飲み込む力が大切といっても嚥下は反射的に起こる動作のため、症状が深刻化するまでなかなか衰えに気づかないのが、難しいところだ。

ここで簡単な「反復唾液嚥下テスト」をしてみよう。30秒の間に、何回唾液をごっくん飲み込めるかを測るものだ。このとき唾液がうまく出なかったりするひてゃ、少し水を口に含んでも構わない。結果はいかがだろうか。年齢にかかわらず、30秒間でも6回以上できれば特に問題はない。だが3〜5回の人は要注意だ。

2回以下の人は、飲み込む力が低下している「嚥下障害」の可能性があると考えた方がいい。「実は70代くらいまで、嚥下機能が劇的に落ちることはありません。ただ、70代を過ぎて目に見えて落ち始めると、治すことはかなり難しくなってしまいます。のどの能力が下がりきってしまう前に『あれっ、最近のどの様子がおかしいな』と感じたうちから、のど力の低下を疑ったほうがいいでしょう」(金剛記念病院耳鼻咽喉科長の浦永氏)

飲み込む力が低下している「兆候」は、様々な形で体に現れる。これを決して見逃さないようにしよう。「まず唾液の切れが悪くなってきて、のどに留まってきます。ただこれを唾液ではなく、痰だと思う人が多いようでです。『最近のどによく淡が溜まるな』と思ったら要注意です。また、声の質も変わってきます。のどに唾液が溜まり、加えて動きが小さくなると、湿声といってこもった声が出るようになります。これは咽喉の力が衰えているサインです」(浦永氏)

のども「認知症」になる

このほかにも、朝起きると胸焼けがする、上を向いて飲み物を飲むとむせる、大きめの錠剤が飲みづらいといった症状も、典型的な「のど力」の低下を示している。また液体の方が固形物よりも飲み込むのがつらいといったことも、意外な症状の一つだ。これは液体の方がのどを通るスピードが速く、反射が追い付けないためである。

西山耳鼻咽喉科医院院長の西山耕一郎は、「のど力」の低下の兆候はやはり食事中に現れることが多いという。「歯が悪くないのに食事に30分以上かかるようになったら嚥下機能の低下を疑うべきです。これは飲み込むのに時間がかかっているために起こります。また、食事中に咳が出たり食後に声がガラガラになったり痰が急に増えた場合も、のどの力が衰えている兆候とみるべきです」

身体的な兆候としてはわかりづらいが、「のど仏が下がってくる」のも見逃してはいけない変化だ。東京大学医学部付属病院耳鼻咽喉科の二藤高春氏はこう語る。「のど仏が下がるのは、咽頭が下がっているということです。つまり、のどをつり上げている筋肉や靱帯が伸びてしまっているということです。そうすると舌もそれに引っ張られて下がるので、口の中にモノを入れて送り込む時にタイミングがとりにくくなります」

のど力が完全に低下すると、今度は逆にむせなくなったり、咳が出なくなってしまう。誤嚥を防ぐ「せき反射」が起こらなくなるためだ。食事もおかゆのようなとろみのついた食事でなければ、口に運ぶのすら億劫になってしまう。食事は「飲み込みやすいもの」に限られていくため、噛み切りにくい肉や、骨の多い焼き魚には手が伸びなくなるだろう。そうすると動物性たんぱく質が不足し、体の筋肉量が減少、運動障害を招くリスクが高まる。「栄養障害や筋肉量の減少がみられると、サルコベニア(身体機能の低下)の問題が深刻化してきます。こうして体を動かさなくなってなっていくと、今度は認知機能の低下も進み、フレイル(生活機能全般の低下)という状態を招くことになります」(前出・浦長瀬氏)

物が食べづらくなると、認知症が進み最終的には寝たきりになってしまう―「のど力低下」がもたらす、つらい結末である。嚥下障害が進むと誤嚥だけでなく「窒息」を起こすこともある。正常にのどが機能していれば入らないような食べ物が気道をふさぎ窒息して死に足ることもある。また、高齢者が気をつけなければならないのが「脱水」だ。水でむせがちになると、つい水分補給を控えるようになってしまう。

高齢者が一日に必要な水分摂取量は1500ミリリットルと言われているが、嚥下障害により500ミリリットルも飲みきれないようになると脱水症状から脳梗塞、心筋梗塞といった重大疾病を引き起こすリスクが格段に高くなる。「飲み込む力の衰えは、はっきりと飲み込めなくなるまで、本人も周囲も気づかないまま放置されることがあります。飲み込むという動作は、身体的には非常に単純で小さな動きです。それゆえ、自分の意志でのどを動かせない、いわば『のど認知症型』の人は非常に多い」(前出・浦長瀬氏)

のどが衰えてきていると自覚したら、意識的にのどを使うことを心掛けたい。例えば飲み物を飲み込んだら、大きく息を吐きだしてみよう。これにより、自然と誤嚥を防ぐことができる。いつもより大きな声で笑うだけでもよい。カラオケも効果的だ。自分ののどはきちんと動くのか。日常生活でチェックするのが大切だ。


『週刊現代』12.29


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