加藤のメモ的日記
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私は「姿勢」のことを「いきおい」のある「すがた」だと理解しています。子供の頃「姿勢が悪いよ。背筋をピンと伸ばしなさい」と注意されたことがありませんか。私もその経験がある一人です。その都度意識し背筋を伸ばしたものです。そもそも姿勢とは不安定なものです。人体の構造は、足から首にかけての骨がまるで積み木のように重なっていま関節は驚くほど摩擦が少ないため、力を抜くとすぐに崩れてしまいます。このため直立不動というのは、本来はあり得ません。常に揺れているのが普通なのです。
しかし、背中を丸めた前傾姿勢、つまり猫背の状態で歩くと、バランスを保つために自然と腰が落ち、ひざが曲がります。このような悪い姿勢は、歩く上で余計な筋力を使い、体に負担がかかってしまいます。
良い姿勢について、私の恩師で、運動生理学の第一人者である猪飼道夫・元東大教授(故人)は、次の3点を挙げています。�^堕蠅靴討い襪海鉢�筋の負担が少ないこと�H�しいこと―。姿勢のあるべき特徴を的確に言い当てています。そのいい例を、インドで見つけました。頭に壺を載せて運んでいる人です。背筋がピンと伸び、重心が安定していないと、あれはできません。すぐに疲れてしまうか、関節を痛めてしまうことでしょう。安定していることは、合理的な作業姿勢でもあるのです。デスクワークでは、背筋を伸ばす習慣を持ちましょう。
立っているときは肩の力を抜き、背中の肩甲骨を少し狭めてみましょう。胸郭が広がって呼吸が楽になり、血液の流れも助けます。この姿勢のまま歩いてみましょう。目線は遠くに、足元は周辺視で確認するようにします。かかとからの着地を意識し、地面を押し出すように歩けば、足は振り子の原理で楽に前に出ます。安定した歩行は美の原点です。
広島大学名誉教授 渡部和彦
『中国新聞』1.13
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