加藤のメモ的日記
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| 2016年02月07日(日) |
マイナンバー制度はあなたの資産を丸裸にする �� |
カネの動きはすべてバレる
想定される事例はまだまだある。親が子供のために、結婚式の「支度金」として数百万円を振り込むようなケースは即座に税務調査が始まり、贈与税を取られてしまう。本業の年収が2000万円以下で、株などで20万円以上儲けている人は原則として確定申告が必要です。しかし忘れている人も多いだろう。それもすべてバレる。また、競馬などのギャンブルでは、最高50万円までは控除になるが、それを超えれば確定申告をしなければならない。ただ、競馬は現金での引き出しが基本。そんなことをしている人は少ない。使い切ってしまえば気付かれない可能性もある。だが、その金を口座に振り込んだ時、国税にマークされる……。
マイナンバー導入後の世界では、このようにカネの動きはすべて補足されることになる。政府は「国民にとっても利便性が高まる」と強調する。だが繰り返すが、この制度は「国の徴税権力を強化」するため以外の何物でもないのだ。そしてこれほどの情報を集めるにもかかわらず、冒頭で述べたように、その管理はいかにも心許ない。内閣官房社会保障改革担当者室の担当者に聞くと、マイナンバーの閲覧については、「閲覧権限の決め方や端末の管理については、各自治体がこれから検討する」というだけだった。中央官庁の人間だけでなく、各市町村の役所でも、職員がマイナンバーにアクセスする機会がある。アクセス人間の数が増えれば、当然増大するのが流出のリスクだ。
もう一つ、問題となるのは、企業でのマイナンバーの管理だ。従業員から提出された番号の管理は、「企業ごとに勝手に行え」というのが政府の方針だ。前出の北見氏が言う。「中小企業や飲食店の経営者たちは非常に悩んでいます。というのもマイナンバーを漏洩したら懲役もしくは罰金という懲罰が科されるんです。そのため国は『マイナンバーを取り扱う部屋を専用個室にしろ』、『セキュリティーのためにウィルス対策ソフトを導入しろ』と言っています。マイナンバーを保管するためだけの専用個室を用意できる中小企業がどれだけあるというんですか。セキュリティーにしても、どんなソフトを入れればいいのかもわからない。コストも人手もかかるし、あまりにも非現実的です」
さらに気になることがある。近い将来、マイナンバー制度は金融機関以外の、民間企業民間企業とも連携し、利用できる範囲を拡大するというのだ。自民党のIT戦略特命委員長として、マイナンバー制度を進める平井卓也衆議院議員に聞いた。「『個人番号カード』によって図書館で本を借りたり、学生証や社員証、保険証の代わりにできたりすることを想定しています。スイカあバスモ、インターネット上の買い物も、このカード1枚で済むようになるかもしれません。民間企業にとって、大きなビジネスチャンスとなるはずです」しかしそうなれば、民間企業がマイナンバーの情報を収集する機会は増え、そのデータベースが盗まれて詐欺犯罪に悪用される危険性が高まる。
モデルは共産主義国家
事実、マイナンバーと類似した制度[社会保障番号」を1936年から導入しているアメリカでは、様々な問題が起きている。2015年2月には、保険会社のアンセム社が不正アクセスによって約8000万人分の番号を盗まれる事件が発生。住所、電話番号、勤務先などの個人情報が流出した。盗んだ社会保障番号を利用した詐欺事件も、多発している。その番号の所有者になりすまして税申告をし、不正に還付金を得るのが、現在の社会保障番号詐欺のトレンドとなっている。
日本政府もマイナンバーの流出を覚悟しているようだ。前出の担当者がこう言う。「流出を想定しているので、罰則を設けている。なおかつ、管理状況を監視監督できるように、特定個人情報保護委員会という機関を作って管理することになります」「マイナンバー先進国」の事例は事本政府も当然調べている。アメリカは反面教師と語るのは、前出の内閣官房職員。「実はモデルにしている国があります。それはバルト三国の一つ、エストニアです。2002年に個人番号カードに似たIDカードを発行しています。そして見事に強固なセキュリティーを構築し、流出やなりすましを防いでいる。今やエストニアではこのIDを使ってネット上から投票もできます」
実際、前出の平井議員も5月にエストニアへ視察に訪れ、政府関係者と意見交換している。だがエストニアは、面積は九州とほぼ一緒で、人口は福岡市より少ないわずか130万人という小国だ。「加えて、国民性も全く違います。旧ソ連側で元共産主義国家であるエストニアの人々は、監視されることに慣れている。そんな国をモデルケースにしてもまったく参考にはなりません」(個人情報保護に詳しいジャーナリストの斉藤孝雄氏)
いまのところ、マイナンバーによって国民の側がどう便利になるのか。、具体的な事例は何一つない。どうやら政府は、そんな宣伝をしなくても、国民はこの制度を受け入れると安心しているようだ。あなたの財産が丸裸とされる日は、もうすぐそこに迫っている。
『週刊現代』7.11
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