加藤のメモ的日記
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2014年11月30日(日) 安倍「官房機密費」6億3000万円は闇に消えた ��

つまり記者クラブは本来の意義を失い、権力に都合のよい既得権益として逆利用されてしまったのです。この15年間、私が記者クラブシステムを危惧し、批判してきた最大の理由がこれなのです。日本の記者クラブに特有のぶら下がりはそのそも記者クラブだけに許された非公式な懇談なのです。中しても会見拒否ということはできません。仮に、会見に雑誌やフリーの記者らを入れれば厳しい質問も飛ぶでしょうが、政権にコントロールされた記者クラブの記者だけを相手にするから、安倍首相が独壇場となってしまうのは当然なのです。要するに、これは安倍首相の勝利というよりも、冒頭の元政治部記者の言うとおり内閣記者会をはじめとする日本の政治メディアの敗北に過ぎず、この1年間に起きたことは、いわばメディア崩壊だったのです。

特定機密保護倉美

過去のこうした経緯と現実を知っていながら、単に傍観し政治に制度設計をゆだね、自らそのシステムを変えようとしてこなかった日本のマスメディア。私からすれば、そうした彼らが今更「特定秘密保護法案」への反対を叫び、新聞・テレビがデモに賛同し、ジャーナリストたちが横断幕を掲げている姿を見ても、どうしても醒めた気持ちになってしまうのです。

霞が関とメディアが一体のとなって情報操作を行なってきたこの国では、そもそも記者クラブ自体が、[特定機密保護法クラブ]として機能してきたのではないでしょうか。霞が関官僚に都合の悪い情報を報じて出入り禁止になることを恐れて報道を自粛し、記者懇談会でもひとたび「完全オフレコといわれれば半永久的に秘密にしておくことが善とされた。それがこの国のメディアの実態であり、だからこそ、10年ほど前、私はそれを「官報複合体」と名付けて批判したのです。それは、今回の法案に関わる外交上の特定秘密においても同様です。

2010年3月、岡田克也外務大臣が前年から調査していた日本の核持ち込みなど「四つの密約について広義の密約があったことを発表した時もそうでした。私は大臣によるこの内部調査を、その後もずっと民主党政権最大の功績と評価してきましたが、記者クラブメディアは数回報じただけでばったりと取り上げることを止めてしまいました。その日の会見でも、岡田大臣の直前に座っていたのは私で、見渡せば隣席のニューヨークタイムズのマーティン・ファクラー氏ら海外特派員ばかりの参加が目立ちました。

海外メディアが一斉にこのニュースを報じたのも、外務省が密約の大部分を破棄していたことがわかったからです。それこそ日本の歴史の一部を永遠に破棄し、特定秘密の最たるものを官僚自らの手で隠滅したのだから当然の扱いのですが、日本の報道との温度差を感じる象徴的な光景でもありました。これでお分かりでしょうが。これまで記者クラブは、常に特定秘密を守る側に付いてきたのです。だからこそ、この法案が成立しても、実際にはこれまでと何も変わらないだろう、というのが私の見方で、テレビや新聞の今更ながらの叫びや他のジャーナリストたちの反対運動を醒めてみてしまうのです。もちろん、私のこうした姿勢は決してよいことではありません。実際、私自身はこの法案には問題があると考えていますし、心情的にも反対です。

仮に、法律の恣意的な運用が可能であるならば、例えば「核機密」についていえば、外交機密を暴こうとした岡田大臣が逮捕され、記録を破棄した外務官僚が守られるというのが、この法律だったら充分あり得るとも考えるからです。


『週刊ポスト』1.1


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