加藤のメモ的日記
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2014年06月12日(木) 中国は神戸から攻めてくる

狙いは二つの潜水艦工場

神戸は坂の多い町である。1995年の大震災後、以前のような風情は薄れたとはいえ、瀟洒な異人館が並ぶ山の手は、今でも観光客の賑わいが絶えることはない。坂を上りながら、ふと振り返ると海が見える。そんな美しい街に静かに「照準」が合わせられようとしている。「もし、私が中国人民解放軍の兵士であれば、早い段階で神戸を攻撃の対象にしますね」こう語るのは、ある海上自衛隊の幹部である。

この幹部は「もし仮に日本が中国と戦争状態になったならば海の上が主戦場になる。制空権と制海権の鍵を二義のは言うまでもなく、空母やイージス艦、そして戦闘機ですが、もう一つ重要な役割を果たすのが潜水艦です。そして日本で軍事用の潜水艦を建造している唯一の場所が神戸なのです」多くの人が行き交う神戸駅から、歩いてわずか数十分ほどのところに二つの工場がある。三菱重工の神戸造船所本工場と川崎重工の神戸工場だ。現在、海上自衛隊の潜水艦はこの二つの工場で製造されている。

昨年、川崎重工の工場で行なわれた。最新鋭潜水艦「こくりゅう」の進水式を見学したという軍事ジャーナリストの井上和彦氏はこう語る。「神戸は、幕末に軍艦奉行の勝海舟によって、江戸幕府が海軍操練所を置いたところです。つまり、海軍発祥の地であり、その伝統が脈々と生きています。海軍の造船所といえば、呉や佐世保をイメージする人も多いですが、最も複雑で精緻な技術を要する潜水艦の製造は今でも神戸で行なわれています」このように神戸の2工場には、世界トップクラスの技術が存在するのだ。

「だから、警備はものすごく厳重です。潜水艦において重視されるのは、敵哨戒機や艦艇に探知されないための「静寂性」ですが、その面で日本の潜水艦の性能は世界一といわれています。原子力潜水艦には及ばないまでも長期間水中に潜航し続けることができ、世界最大にして最強の通常型潜水艦として、現時点では中国の潜水艦とは比較にならないほどの性能の差があります。インドやオーストラリアといった、中国との摩擦を警戒する国々は、羨望のまなざしで見ていますよ」(井上氏)前出の海上自衛隊幹部は、現在でもこのような軍事技術を持つ工場の周辺では「活発な中国の諜報活動が行なわれている」と語る。「基本的に彼らが欲しいのは、設計図などのデータとノウハウ。だが、いったん戦争が始まって長期戦になるとわかれば、造船所の破壊工作に出る可能性もあるでしょう」

繰り返される挑発

急増する中国の軍事費は、現在、世界第2位であり、米国の3分の1規模まで成長している。東アジアに関していえば、すでに米中の軍事費は伯仲しているのだ。中国の2014年度の軍事費予算は約13兆円で、これは日本の防衛予算の3倍近くにあたる。それでも、現時点では日本の兵力の方がコンパクトながらも、中国軍の力量を上回っているというのが、安全保障の世界の通説となっている。英国の防衛専門誌『ジェーンズ・ウィークリー』の東京特派員を務める高橋氏は語る。「海軍力の面では、完全に日本が上回っています。日本はイージス艦を6艦、ヘリ空母を3艦保有している。ヘリ空母はいざとなれば、熱に強い甲板につけかえて、戦闘機が離発着できるようにもなります」

中国軍は、スクラップ状態だったウクライナの空母を改装した「遼寧」を就航させたが、運用の面でまだまだ課題が多いといわれる。「それ以上に日中の差が大きいのは、軍組織における指揮統制通信システムです。現代戦においては、C41と呼ばれる陸海空軍が一体的に動けるように構築されたシステムが重視されます。このシステムを米軍とシェアしている自衛隊は中国に比べて一世代、約30年は進んでいます」(高橋氏)

一方で、航空戦力という面では、必ずしも日本が優勢とはいえないようだ。前出の世良氏が語る。「中国空軍は約40万人を擁し、Su-27などの第4世代戦闘機を650機以上有しています。対する日本の航空自衛隊は4万3000人、第4世代戦闘機は300機ほど。パイロットの技量は自衛隊の方が上回りますが、数の差が大きく、自衛隊が容易に勝てるとは言い切れません」このように現時点では日本の軍事力や日米同盟の存在が抑止力として働いている。だが、繰り返される挑発行為を見ればわかるように、次第に自信をつけてきた中国軍が、勢力圏拡大の機を虎視眈々と狙っていることは間違いない。

中国の大きな目的は、あくまで太平洋への自由なアクセスを得ること。そのために、尖閣諸島のみならず、多くの日本人が住む沖縄も占領しようというのだ。中国との戦線はそれだけではとどまらないと前出の高橋氏は語る。「欧米をはじめとした世界の軍事専門家たちは、尖閣諸島における日中関係を非常に憂慮しています。それは、かっての大規模な戦争の発展がちょっとした小競り合いから始まったことを歴史的によく理解しているからです。

最後まで太平洋戦争開戦に異を唱え続けた連合艦隊司令官・山本五十六は、「いったん、事を構えたら、どちらかの国土が焦土と化すまで後戻りできないのが戦」と述べています。現在、日本と中国の防衛関係者の間では有事の際のホットラインもなく、誤解が誤解を呼んで、状況がエスカレートしがちです。そうして全面戦争になってしまえば、中国が本州の大都市にミサイルを撃ってくることだってあり得るのです」

中国が狙っている攻撃対象はここだ

�\朕晃�・六ヶ所村 使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理工場

�∪朕晃�・三沢基地 航空自衛隊唯一の日米共同使用の基。米軍のF-16なども常駐する

�E豕�・市ヶ谷 防衛省本省をはじめ、陸海空の幕僚幹部がある、文字通り国防の中枢

�た斉狎邯�・横須賀 陸上自衛隊の基地の他、在日米国海軍施設「横須賀ベース」がある

�ダ仞邯�・小松基地 対領空侵犯措置の任務を担い、国籍不明機へのスクランブル発進も行なう

�κ叱妨�・神戸 日本の潜水艦技術の粋が集まる、三菱重工と川崎重工のドッグがある

�Ч�島県・呉 かって戦艦大和を建造した海軍工場があった

�┿蓋�県・岩国基地 本州唯一の米海兵隊基地がある。今後の再編で極東最大の米軍基地に

��福岡県・築城基地 常駐するF-2戦闘機を使えば、1時間で尖閣諸島へ到着、攻撃が可能

��長崎県・佐世保基地 尖閣などの防衛を担う陸上自衛隊の「西部方面普通科連隊」が駐屯

��沖縄県・嘉手納基地 米国空軍の基地。単一では最大の戦闘航空団、第18航空団が駐留

��沖縄県・下地島 パイロット訓練用の滑走路があり、有事の際に重要拠点となりうる


『週刊現代』6.14


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