加藤のメモ的日記
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| 2013年08月30日(金) |
南海トラフ巨大地震が来る �� |
危険な時期もわかっている
実は今、このGPSの驚くべき異変が観測され始めていると、村井名誉教授は話す。「今年1月からの、四国周辺に設置されている複数の電子基準点の動きをみると、6月以降我々が警戒すべき移動幅と我々我が考えている値を超える動きをする観測点が急速に増え始めている。愛媛県の宇和島から高知県室戸、和歌山県金屋まで、きれいに南海トラフに並行して異常値が出ています。東海、東南海では異常が出ていないので、3連動ではないけれども、南海トラフを震源とする南海地震が起きる可能性があるのじゃないかと思っているのです」
その地震の規模について、村井名誉教授と共に予知情報を提供している、地震科学探査機構(JESEA)の顧問を務める荒木博士はこう語る「南海地震の震源の断層の長さからすると、M7以上になるでしょう。沿岸部での震度は6強になる可能性があります。紀伊半島から九州までの範囲で、津波が大きくなる危険性もある」ではその地震はいつ発生すると考えられるのか。「巨大地震の予兆は6カ月くらい前には出ますので、これから冬にかけてが警戒すべき時期といえるでしょう。今年の12月から来年の3月までを警戒期間としたい」(村井名誉教授)
実は、この研究と全く関係のないところで、本誌は村井名誉教授らの予測と奇妙に符合する証言を聞いている。武蔵野学院大学の島村特任教授が語った、こんな言葉だ。「これは学問的にはまったく解明されていいないことなんですが……。歴史上知られている南海トラフ地震と思われる地震は13回あるんです。その13回はすべて、8月〜2月にかけての期間に起こっている。不思議なことですが3月〜7月の間には起こっていない。これがまったくの偶然で起こる確率は、統計学的に見て2%程度。しかし、原因は全く解らない。さらに言えば、13回のうち5回が12月に起きているんです。もし季節が地震に影響するなら、8月になれば危険シーズンに入り、12月が一番危ない、ということになるでしょう」
ますます現実味を帯びる南海地震の予測。だが、村井名誉教授は、現状では地震の直前になればなるほど、GPSでの予測は限界に行き当たってしまうと話す。「問題は、我々はリアルタイムに警告を発せられないということなんです。なぜかというと、電子基準点を運用する国土地理院が、計測の2週間後にならないとデータを開示してくれないからです。計測自体は24時間、30秒おきにされているにもかかわらず、ですよ。彼らはリアルタイムでは間違いがあるかもしれないから、正確かどうか確認してからでないと公開できない、という。その理屈はわかりますが、人の命を救うために使えるのだから、多少データが荒くても構わないと思うのですが……」
「満ち潮」に注意せよ
ここでもう一つ、日本のメディアではあまり注目されてこなかった研究成果を紹介しよう。それは2012年12月、ごく地味な科学記事と新聞が報じた「東日本大震災は、月と太陽の引力の影響が大きい時期に発生した」という防災科学技術研究所の田中研究員の成果だ。実はこの研究は、巨大地震の発生する時期を予測する強力な武器になるかもしれない可能性を秘めている。田中研究員と共に、共同研究を行なったことのある、米国カリフォルニア大学のエリザベス・コークラン博士はこう語る。
「地球には、月と太陽の引力の影響が及ぼされています。例えば、月と太陽の引力は海水を引きつけ、満ち潮と引き潮を生みだしますね。それと同じで地球自体も1日2回、大きく変形させられ、地表面が20センチも動いている。これを地球潮汐といいます。私たちは2004年にこの地球潮汐と潮の満ち引きによる海洋荷重が、断層にどのようなストレスを与えるかを研究しました。1977年から2000年に起こった地震2027件について調べたところ、その75%が潮位が基準海面より1.8メートル高い時に起きていたのです。
断層の上に月と太陽の引力で海水が引き寄せられ、満ち潮になると、断層には重みがかかる。地殻変動の結果、地震が起きやすくなっている場所にこうした力が加わると耐えきれなくなった断層がはじけ、地震が発生するという。コーラック博士はこう続ける。「田中さんの最近の研究では、東日本大震災の前36年間に震源の近くで起きた地震約500件を調べると、巨大地震に近づくにつれて、高潮のときに地震が起こる割合が増えていたのです」
つまり、フランスのブション博士が指摘した東日本大震災の前震の多くは、東北沖で潮が満ちたとき起きていたのだ。「この方法を、すぐに地震の短期的な予測に結びつけるには、いくつかの大きな困難があります。ただ、もしあらかじめ地震が懸念されているエリアがあるのであれば、巨大地震の前に起こる地震と潮の相関関係をみることで、巨大地震を予測できるかもしれません」(コークラン博士)
私たちが次に地震が来ると心配しているエリアは、すでに決まっている。南海トラフの周辺だ。ならば、このエリアで潮が満ちたときに前震が頻発するようならば、それが明確な危険信号になるのではないか。直近で、南海トラブに近い高知県の室戸岬周辺が8月で最も潮位の高い大潮となるのは8月21日前後。以後、9月20日、10月6日、11月4日、12月4日前後が各月の最高潮位となる大潮の日だ。これらがXデーとなる可能性は否定しきれない。この他にも、さまざまな手法で地震の予知に真剣に取り組もうとしているものを二つ紹介する。
■上空の電子数
北海道大学理学研究所の日置教授らは東日本大震災の直前に、東北地方の上空で電子の数が多くなっていたことを発見した。地球の大気にある「電離層」と呼ばれる部分では、宇宙から降りそそぐ放射線が空気にぶつかって分子中の電子がはじき出され、空中の電子の濃度が高い。村井名誉教授らも使った高精度のGPS衛星からの電波を使って自分の位置を知るが、衛星から出るマイクロ波は、電離層にある電子にぶつかって、地上に届く時間が少し遅れることが知られている。
日置教授らは、大地震の直前にGPSの電波がどれだけ遅れていたかを計算した。すると東日本大震災では約1時間前から上空に異常が現れ始め、次第に上空の電子が増えだしたというのだ。同様の異変は2004年12月と、2007年スマトラ沖地震と、2010年2月のチリ地震直前のデータからも読み取れた。この手法を使えば、1時間前という、まさに直前の大地震予知が可能になるかもしれないのだ。
■深部低周波微動
防災科学研究所の提供する、人の感じない程度のわずかな地震も記録するHi-netの情報をもとに。近年解析が進んだもの。特に東海地方や紀伊半島周辺では、人が感じるような有感地震の数日前から直前にかけて、地下30�夘婉瓩乃�こるゆっくりとした揺れの深部低周波微動が起こることが分かってきている。例えば、2011年8月1日の駿河湾で起きたM6.1の地震の2〜3日前には1日に40回近い深部低周波微動が観測されている。ちなみみ地震の一ヶ月前までや地震後は、深部低周波微動はほとんど起きていない。東海地方の地震・防災関係者の間では、これが来るべき南海トラフ巨大地震やその一部である東海地震の直前予測に結び付く可能性があると期待を集めている。
さまざまな研究が示す、南海トラフ巨大地震予知の可能性。その情報に接したとき、私たちはどうすればいいのか。都市防災が専門の渡辺・まちづくり計画研究所所長はこう話す。「残念ながら、現状では政府が責任を持って予知情報を発信してくれる仕組みは、東海地震以外、存在しません。もし個人レベルで予知を聞いても、むやみに他人に言わないことです。『会社を休んだのに何もなかったじゃないか、お前のせいだ』と責められても誰も守ってくれない。逆にえば、もし研究者が個人的に『地震が来そうだ』と発表したときは、それだけのリスクを背負って発言したことになる。その勇気や誠意だけは、もし外れても評価していいでしょう」いずれにしろ、南海トラフ大地震は必ず来る。
地震予知法はこんなにある
��GPSで変動予測 国土地理院が全国1240カ所に設置しているGPSによる電子基準点で大地の変動を察知する。地震の半年ほど前から、大地の大きな伸縮が繰り返し観測され始めることが多い。実現性は○○○
�⊂絛�の電子数計測 GPS衛星から送られるマイクロ波が上空に浮かぶ電子にぶつかって遅れることから電子の数をはかる。大地震の1時間ほど前から直前予知に効力を発揮する可能性が出てくる。
�E甜�波の撹乱観測 地震発生の数週間前から、FMラジオの電波などが本来届かないはずの遠方まで届く現象などが観測される。震源地を挟んで電波の発信元と受信先を設置する必要があり、観測体制の整備が課題である。
�ち或未粒菷�化 海溝型地震の震源になると予測される場所で小さな地震が発生し、その頻度が増加していくようなときには、大地震につながる恐れがある。ただし関係ない小さな地震と区別するのが難しい。
�タ蕊�低周波微動 防災科学研究所の公開しているHi-netで観測できる。東海地方や紀伊半島ではほとんどの有感地震の前にこの現象が発生した。ただし、どの地域でも同じような相関関係があるわけではない。
�ζ以�の異常行動 地震の前兆として有名だが、科学的には未知数である。ただし中国では1975年海城地震の際、市民から寄せられた動物の異常行動の情報などから、予測避難を行ない被害の拡大防止に成功した。
��地震雲 報告例は多いが、多くの科学者は懐疑的である。震源と関係ない位置で観測されるものがほとんどだからだ。ただし、震源の直上で地震直前、太陽が歪んで見えた例などもあり、大気が変化した可能性はある。
�┠遒搬斥曚琉�力の変化 統計的には月と太陽の引力の影響が大きい時期に大地震の多くが発生している。必ずしもその時期だけに地震が起こるわけではないが、より地震に注意すべき時期は直前に知ることができる。
『週刊現代』8.17
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