加藤のメモ的日記
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2012年10月26日(金) 今、尖閣紛争が起これば ��

続いて、中国の体制が今より不安定化する可能性も考慮しておかなければならない。中国の政治事情に詳しいジャーナリストの福島氏が指摘する。

「軍事衝突が起こり、中国が日本に負けるようなことになれば、中国国民の怒りの矛先は現在の中国政府に向かうでしょう。権力の移行期にある中国は大変不安定な状況にありますから、国民の不満が爆発すれば、現体制は揺らぎかねない。最悪の場合、中国共産党政権が倒れてしまうかもしれません。尖閣問題が熱を帯びるに従い、中国国内では中国人民軍幹部の声がメディアを通じて紹介される頻度が増えています。なかには『中国13億人の人々は心を一つにし、決意を示して日本に対処しなければならない』『戦闘力を十分に高めて、尖閣を奪う』などといた、軍幹部の過激な言動を紹介するメディアもあります。こうした主張が支持されるなら、極端な反日政権が新たに誕生することも起こりうるのです」

現在の共産党政権でさえ手を焼く相手であるのに、打倒日本をスローガンに掲げるような凶暴な政権が誕生すれば、日本の存亡にもかかわる脅威となることは間違いない。

経済への影響「最終結論」

さらに、物理的な脅威だけでなく、経済的な脅威が日本を襲うことも想定しておく必要がある。尖閣衝突の最大のリスクは、日本経済が破綻に向かう可能性がある、ということだ。中国が仕掛けてくる「経済戦争」に日本は耐えられるのか。中国経済に詳しいビジネス・ブレールスクール大学の田代教授が説明する。

「日本製品の不買運動だけでも、日本企業は恐ろしい程の損害を被っています。例えば中国側の発表によると、この8月の北京、上海、広州の3地点での日系企業のカラーテレビも売り上げは、前月比で東芝が40.3%減、三洋が44.3%減、パナソニックが23.4%減と著しく減少しました。現在、中国に現地法人のある日本企業が中国で部品を調達する割合は、平均で59.7%。半分以上を中国で現地調達しているという状況です。そして、日本国内でのハイテク製品・部品の生産には中国産レアアースが必須です。中国が経済制裁を発動すれば、日本企業は製品が作れないという状況に追い込まれます。武力衝突が起こったら、その瞬間に日本の輸出関連株は暴落しかねません」

日中の貿易総額は約27兆円に上り、2011年度の日本の全貿易の約20%を占めている。好むと好まざるとにかかわらず、中国の経済なくしては日本経済は成り立たないというのが現実なのである。

中国経済に詳しいジャーナリストの富阪氏は、「中国が経済制裁を発動しなくとも、日中が衝突すれば必然的に日本は財政難に陥る」と指摘する。「日中衝突の直前に、世界中の企業・投資家が日本と中国から資金を引き上げる方向に動くでしょう。戦時のリスクを恐れて、日本企業の株や円が売られることになるはずです。それが日本経済に与える影響は、リーマンショックの比ではありません。倒産する企業が続出し、日本は戦時恐慌に見舞われます。一方、日本政府は防衛力維持のために多額の金をつぎ込むので、国民は消費税10%どころではない大きな負担を迫られることになるでしょう。顕在的な問題が山積する今の日本が、それだけの負担に耐えられるのでしょうか」

勝利と引き換えに日本が払う代償はあまりにも大きい。挑発に乗って越えてはならない一線を越える。それこそ中国の思うツボなのかもしれない。



『週刊現代』10.6


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