加藤のメモ的日記
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2012年10月09日(火) がんワクチン ��

抗がん剤よりいい

悪性脳腫瘍も予後が悪いことで知られる難治性のがんだが、「WTI」というがんペプチドワクチン療法の臨床研究に取り組む大阪大学付属病院の橋本医師は、「有効性に期待が持てる結果が出てきている」と語る。通常、ある種のグリオーマの再発は、5年生存率が8%といわれている。WTIのがんペプチドワクチンを始めて再発から約6カ月間、悪化することもなく生存していた人は3割を超えた。

抗がん剤治療を実施していた時の1割よりも良い結果が得られたのだ。治療開始時に46歳だった女性は、4年半で腫瘍が焼失し、現在7年目。今も月に1度外来通院しワクチンを打ち続けているという。劇的な効果が出る人がいる一方で、まったく効かないという人がいるのも現実である。研究が進むペプチドワクチンの抗原を。すべてのがん患者が持っているわけではないし、抗体を持っていても、残念ながら効果が表れないケースがある。医療機関では多くの患者が適合する抗原を選んでいるが、それでも、該当する患者が全体の6〜7割というものがほとんどだ。

滋賀医大の樹状細胞ワクチン療法では、がん抗原MUCIに適合する肺がん患者は全体の「5〜7割」といわれている。「がんワクチンに適応する抗体を持っているかどうかは、患者さんのがん細胞を特殊な溶液で染色すれば簡単にわかります。中には0という人もいるので、うちでは必ず生検組織か、手術の際のがん組織をお持ち頂くことにしています」(寺本医師)

これに対し、大阪大学がターゲットにしているWTIというがん抗原は、悪性リンパ腫を除き、多くのがんに存在することがわかっているものだ。そのため、消化器がんから血液がんに至るまで多岐にわたるがんを対象に臨床研究をしているのも大阪大学の特色だろう。WTIに対する関心は世界でも高く、アメリカの権威ある国立機関NCIは、‘09年に「注目すべきがん抗原75種の中でも最も臨床応用すべきがん抗原はWTI」と発表している。

がんワクチンは、最終的には創薬として保険認可され、手術、抗がん剤、放射線の3本柱の標準治療に次ぐ、、「第4の治療法」となることに熱いい期待が寄せられている。そこに至るまでには、安全性を確認する第�義蝓⇒�効性を見る第�響蝓�大規模比較試験を行なう第�形蠅泙任涼奮�別の臨床試験があるが、すでに肺がんでは第�形蠅泙膿覆鵑任い襪發里發△蝓△垢ぢ,�んでも新たに新たに第�形蟷邯海�予定されている。

早く使えば、もっと高い効果

抗がん剤と組み合わせた併用治療法の研究も進められており、新たな可能性も期待される。「もっと早い段階で投与できれば、もっと高い効果が得られる可能性が高い」という意見も多い。例えばすい臓がんは、術後回復に時間がかかる。悪性度の高いがんは数が月で再発してくるために、まだ体調が戻らない状態で抗がん剤を始めなければならない。「それががんワクチンだけですめば、吐き気や食欲不振などの副作用がない分、体力の回復も早いはず。再発が多いがんなので、行く行くは、手術をした後すぐに打ち、予防的に使えるようなるのが一つの理想。手術ができない、緩和療法という選択肢しかなかい人に使えば、つらい抗がん剤の副作用に苦しまずいい時間をつくることができる。使い方はいろいろ工夫できると思います」(浅原医師)

悪性脳腫瘍は、数多くの抗がん剤があっても、脳には行き届きにくい、効きにくいという現状がある。腫瘍のできた場所によっては、言語中枢や運動中枢に影響の出る可能性が高く、手術で取れない場合もある。放射線療法も「あまり多く放射するとボケる」など、現在の標準治療では、いろいろな制約がある。「現在のWTIの使用は、再発が研究対象となっていますが、再発したら予後が厳しいことを考えると、正体的には初回治療からどのタイミングで使うか予定を組んで、3本柱と併用して使うのが理想的ではないかと思っています」(橋本医師

現在、がんワクチンの臨床試験が受けられる機関は12か所ある。先進医療、高度医療として治療費用がかかるところもあり、対象となるがんや患者の適応条件は、施設によって異なる。詳細は各医療機関に問い合わせてほしい。あらゆる治療をやりつくした患者にとっては、副作用がなく多少の延命効果が期待できるだけでも「夢の治療薬」といえる側面がある。保険認可薬・がんワクチンの誕生が、新薬の誕生を待ち望む患者にとってさらなる福音がもたらされることを願いたい。



『週刊現代』


加藤  |MAIL