加藤のメモ的日記
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2012年07月19日(木) 病院の裏側��

必要な検査や治療が省かれていることもあるかもしれない。病院側としては、合併症も起こさず、治療をしたらすぐ直って退院してくれる患者や、透析のような収入源になる患者こそが「良い患者」なのだ。大学病院など研究機関と連携している病院の場合は。もう一種類、歓迎する患者がある。研究対象になる患者がそれだ。

去る3月、慶応大学医学部は。呼吸器外科の教授らが肺がんの研究のために、がん患者ら31人の骨髄液を無断で採取していたと発表した。「患者は知らないうちに教授らの研究の実験台にされていた。これは、研究成果を発表することで、研究費や助成金が下りてくるからです。名前も売れるし、出世に必要な業績にもなる。これが表沙汰になったのは、内部告発があったからのようですが、裏を返して言うと、内部告発がなければ、闇から闇の可能性もあったということでしょう」(都内総合病院内科医)

製薬会社との危ない関係

病院や医師に入るグレーマネーといえば、製薬会社から流れる金もそうだ。今年4月、製薬会社225社からなる医療用医薬品製造販売業公正取引協議会は、医師への接待は上限2万円までという自主規制を発表した。しかし「実態は変わらない」というのは大手製薬会社のMR(医薬情報担当者)だ。「これまで何度も規制があったけれど、結局はうやむやで、実態は変わっていません。でも、露骨な接待なんてドラマの世界の話で、実際はもっと巧妙にやっている。製薬会社の社員は同席せずに、医者に好きなように飲み屋で遊んでもらい、ハイヤーで帰ってもらう。そのすべての領収書は製薬会社に回ってくる、というようなルートが確立されていることがほとんどです。 

医者の側も、露骨に『この会社のこの薬を使え』というと癒着疑惑をもたれるから、そんなことはしない。新薬の説明会の際、製薬会社は、病名ではなく症状緩和の話をします。たとえば、この薬はだるさに効くと言えばだるさをともなうすべての病名に当てはまるので、薬のターゲットが増える。そこで力のある先生が実例を挙げて、患者にこんな効果があったなどと言ってくれれば、その薬の使用量が飛躍的に上がるという仕組みです。そのためにも接待は欠かせません」

死者不足も医療現場の状況を悪化させている。前出の本多医師が語る「救急医、麻酔は日常的に不足しているし、抗がん剤治療を専門とする腫瘍内科医もほとんど育っていません。そのため、少ない医師が常軌を逸したハードワークをこなして、どうにか現場を回している。日本の勤務医は32〜36時間連続労働が日常で、6〜7割の医師は徹夜明けでも手術をやってきました。

この4月から、当直明けの手術をなくしたら診療報酬が上がるように改定されましたが、肝心の医者は増えないのだから、人手不足が一層深刻になり、手術待ちの患者が増えるだけの悪循環なのです」病院の裏側に広がる闇はとことん深い。


『週刊現代』5/12


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