加藤のメモ的日記
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2012年07月17日(火) 病院の裏側��

病院に高級絵画がある理由

「さっさと手術を受ければ、ここまで悪化させなくても済んだのに」―そんな嘆きが、日々「病院の裏側」で生産されている。例えばこんなケースだ。東京ハートセンター・センター長の南端医師のもとに、心臓弁膜症の患者がやって来た。心臓は肥大し、不整脈が頻発している状態で、「胸が苦しくて夜も寝付けない」と訴える。これまで病院にかかっていなかったのかと尋ねると、その患者はこう答えた。

「5年前からかかっているけど、『横になったら苦しい』と訴えても、医者は聴診器をあてて、薬を出すだけ。手術など話にも出ません。違う病院に診てもらいたいと相談すると激昂されました」この患者は、どうやら亡くなるまで我慢したあげく、ようやく南淵医師のもとにやって来たのだった。「心臓弁膜症で不整脈の出始めなら、手術をすれば完全に治ります。ところが5年間も放置していたから、手術をしても不整脈は治らない。利尿薬の使い過ぎで腎臓の機能も悪化していた。そのままでは命の危険もありました。このように知らないうちに病院で悪化させられ、手遅れになるケースは、今も数多くあるんです」(南淵医師) 

こんな病院は、なかなか他の医師への紹介状を書いてくれない。自分の診断に自信がない、どの医師に紹介すればいいかわからない、患者を減らしたくない、など、理由はさまざまだ。そこで彼らは適当に薬を出し、「これで様子を見ましょう」と患者に言う。「患者を抱え込む引きこもり型の医者は、開業医にも大病院にもいる。(同前)とういうのが実情なのだ。大病院では、医師たちが集まって治療方針を話し合うカンファレンス(症例検討会)を行なう。治療に万全を期すためのシステムではあるのだが、こんな裏事情もあるという。「カンファレンスとは、みんなで検討することでリスクを分散し、一人の医師が責任を負わないですむようにするための逃げのシステムでもあります」(南淵医師)

また、治療方針の検討といっても、内実は患者の病状より病院内の力関係で決まるという声もある。都内の総合病院に勤務する呼吸器内科医が語る。「内科の教授の権力が強ければ、『切らずに治療しましょう』となり、外科の教授の力が強ければ『切りましょう』となる。鶴の一声です。だからカンファレンスで本当に最適な治療法が選ばれているかというと、じつは曖昧な部分があるんです」

責任逃れの体制を守りたいのは、医療裁判が何より怖いからだ。病院や医師は、医療事故で裁判になった時のための保険にも入っているが、ほかにもこんな「裏技」も使われているという。「病院にはよく高級な絵画が飾られていますが、あれには裏事情があるんです。例えば10万円の絵画を50万円で購入したことにして、40万円をプールする。そうしてプールした裏金を、医療事故などのトラブル処理の費用に充てている病院は多い。病院には細かな医療事故などのトラブルがけっこう多いので、裏金はどうしても必要なんです」(埼玉県の総合病院長)

裏金をといえば、患者からの謝礼も医師にとって大きな収入源となる。「最近は医師への謝礼の文化もなくなってきましたが、関西にある私立病院では。医者の月給よりも患者からの謝礼の方が多いという話が今もある。一部上場企業の社長や老舗の大店(おおだな)の家族など、富裕層が多いんです。患者にとっては50万円ほど渡すことも少なくない。税金がかからないので言いにくい話ですが…」(関西の総合病院院長)また、人間ドッグや美容整形外科など保険適用外の、自由診療を行なうクリニックの場合、診察料は病院の任意で決められる。そのため、有名医の名前で患者を集め、高額な費用を取っているところも少なくない。

こんな話もある。コンタクトレンズを処方する診療所では、管理医師が常勤することが義務付けられているのだが、法律を守っているところはほとんどない。「違反ではありますが、現実には、医師が名義だけを貸しているケースがほとんどです。診療所に顔を出さなくても月に20万円程度の報酬が入るし、眼科医でなくてもOK。医師の中ではいいバイト先として知られています」(都内の開業医)

透析患者は”定期預金”

不当に儲ける開業医がいる一方で、医療の歪みの大きな原因となっているのは病院経営の苦しさだ。全国公私病院連盟と日本病院会が‘11年に行なった調査では、赤字の病院は62.3%。実に3分の2近くの病院が赤字経営ということで、それを埋めるために”儲かる医療”に走るのは必然で、こんなケースも出てくる。「狭心症であれば、手術をすれば1回で完治するのに、カテーテル治療(血管に細い管を通し、狭窄を広げる治療)でお茶を濁す。詰まったらまたカテーテル。『バイパス手術は危険でカテーテルの方が安全』といって何度も繰り返す。4回カテーテルをやれば医療費は全部で500万円以上かかります。患者負担分を除いた大部分が、公的保険から支払われている。ひどい無駄遣いです」(前出・南淵医師)

都内にあるクリニックの内科医が漏らす。「儲かる患者さんの代表は生活保護を受けている人。患者の負担はゼロで医療費はすべて国が払うから、取りっぱぐれが絶対にない。生活保護の人だけを受け入れている病院もあります」人工透析も、病院にとっては重要は収入源。一度やりはじめたら、一生透析に通うことになるからだ。「診療報酬の改定で、点数がやや下がったとはいえ、やはり透析患者を抱えるメリットは大きい。医師の間では”定期預金”と言っています。(都内の開業医)

開業医が掲げる診療科目も、この診療報酬と密接に関連している。医師免許を持ってさえいれば、自分の専門に関係なく、さまざまな診療科の看板を掲げられる。内科医が、眼科や消化器外科の看板を出すこともできるのだ。「意外と小児科を掲げている開業医が多いのですが、小児科の専門医は少数です。ではなぜ小児科を掲げるのか。小児科の診療科目を届け出れば診療点数が優遇され儲かるからなんです。ですが、追加で検査などをすると赤字になってしまうので、診察はするけど検査は他でやってくれ、という病院が多い。小児科の専門医から『看板だけの標榜医の診察は間違いが多い。小児科を分かっていない医者ばかり』という声もよく聞きます」(千葉県の開業医)


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