加藤のメモ的日記
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2012年03月21日(水) 健康診断は受けなくてよい(2)

○私は病院に行くエネルギーを、病気の予防のために使うべきだと思う。検診や治療をしても寿命は変わらないと再三にわたって言ってきましたが、適切な予防をすると、寿命が10〜30%も伸びることがわかっていますから。タバコをやめるだけで死亡率は20%低下するし、野菜や果物をよく食べる人は、食べない人よりも10年後の死亡率が20%ほど下がる。さらに、軽いい運動をする人と全くしない人とでは。10年間でがんの死亡率が20〜30%違うことがわかっています。

●普段の生活改善の方がいかに大切かということですね。ランニングや散歩はあまり効果がないことが最近わかってきて、スロージョギングがいい。これは認知症の予防にもいいと言われています。あとは常に笑いを絶やさず、前向きでいること。

○これを言うと多くの人に怒られるんだけど、歩数計をつけて一日に多く歩くことと、長生きすることは関係ありません。対して、運動内容は問いませんが、脈拍数が少し上がるぐらいの軽い運動を一日に30分、週に3日以上やった人の寿命は明らかに長い。

●先ほどがん検診の話が出ましたが、春になると病院や会社で健康診断を受けたほうがいいか相談に来られる人も多いでしょう。この時期、きちんと健康診断を受けたほうがいいか相談に来られる患者さんがいますが、私は「別に受けなくてもいいんですよ」と言います。実感としてですが、真面目に健康診断を受けてきた人が長生きしているとはとても思えないからです。

○こんな調査がヨーロッパで行なわれました。対象者をランダムに2つのグループに分けて、片方には毎年きちんと健康診断を受けさせ、もう一方のグループには受けさせないようにして、どんな違いが出るかを、5年、10年と追跡した。すると両者の寿命にはまるで差がなかったんです。外国では同様の調査がたくさん行われていますが、結果はどれも同じ。健康診断を受けたほうがよいことを証明した調査は、いくら探しても一つもない。

●非常に興味深い話ですね。そもそも、最近の健康診断は調査項目が多すぎるんです。本当に必要なのは、体重測定と血糖値ぐらいでしょう。むしろ問題だと思うのは、メタボ診断で要注意とされる基準が低く設定されていることです。

○そうですよ。実はメタボ検診が始まる直前に、専門家の間で論争があって、それまでの基準値だった110��/dl(空腹時血糖値)が、100へと引き下げられたんです。血糖値の基準値が10下がると、異常と判断される人は25%も増えるので、それを知った瞬間ゾッとしました。

●結果、要精密検査に回される人が増え、病院は治療費で儲かる。それが意図的に行なわれていることが、何とも腹立たしい。

○しかも、健康診断を受けている人と、受けていない人とでは寿命に差が出ない。健康診断によって異常が見つかり助かったという人もいるかもしれませんが、しかしその一方で、病院で余計な治療や薬を施されたばかりに寿命を縮めてしまったという人も、同じくらいいるのではないか。つまり、真面目に健康診断を受けている人に、何らかのマイナス作用があるとも考えられるのではないか。むしろ私は、もろもろの基準値を緩和して、”患者”をなるべく減らした方が、日本人全体の寿命は延びると主張しています。

がん検診もX線検査も不要

●まったく同感ですね。長生きしたいのならば、病院には行かないほうがいい。健康診断を受けなきゃと思うことがストレスになりますね。検査方法がまた問題で、原発事故で放射線がこれほど問題になったにもかかわらず、なぜ放射線を浴びせるX線検査をやるのか。放射線は細胞のDNAを破壊しますから、胸のレントゲン写真を一枚とっただけでも必ず害はある。まだ若いのに胃のレントゲン検査を希望する女性も多くいます。「体に良くないからやらなくてもいいよ」というと、だいたい考え直してくれますけどね。

○医師は、「被曝量はわずかだから大丈夫」と言いますが、日本人の寿命を延ばしたければ、放射線検査を直ちにやめることです。がん検診は任意だからまだいいとしても、私が絶対にやめるべきだと思うのは、国が勤労者に課す胸部X線検査。イギリスの研究チームは、日本人が罹るすべてのがんのうち、3.2〜4.4%はX線検査が原因だと結論づけているんですよ。しかもサラリーマンはあれを拒否することがなかなかできない。

●私が住む埼玉市の場合、X線検査で3万人のうち5人くらいの割合でがんが見つかるんです。ということは、残りの2万9995人は、放射線をかけられて害を被るだけ。ほとんどの人にとっては、X線検査なんてやる意味はないんです。考えてみれば我々は小学校から毎年、X線検査を受けさせられてきたわけですけれど。

○過剰検診・過剰医療にはさまざまなマイナス面があると思うんです。例えば検診でひっかかって病院に通ったために、インフルエンザに感染してしまったとか、薬を飲んでアレルギーになったとか。あるいは定期的に病院に通院している人ほど交通事故に遭いやすいというデータが実際に海外で報告されています。そうした小さなマイナスが治療によるプラスを打ち消しているのではないか。医師は薬の副作用などによるマイナスよりもプラスの方が大きいと信じているから治療をする。けれども、私は医療の過程をトータルで考えれば、プラス・マイナス同じくらいか、逆にマイナスの方が上回っていると考えているんです。

●問題は、日ごろからの予防を軽視して、医者に病気を早く発見してもらおうという人々の気持ちと、早期に治療を施せば患者は長生きするすると教育され、それを心底信じ切って疑わない医者の気持ちが、結果として長生き・健康を妨げる方向に働いてしまっていることなんです。病院は日常生活の結果を判断する機関にすぎないわけですから、それに自分の命を預ける必要はありません。



『週刊現代』3.17


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