加藤のメモ的日記
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| 2011年11月11日(金) |
知らないままでいる権利 |
出生前診断
遺伝子をもとに将来の健康を占う発症前診断は、これまでにない新しいジレンマを生みだした。自分の運命を「知る権利」がある一方で、「知らないままでいる権利」も尊重しなくてはならない。遺伝子診断でわかった個人の遺伝子情報が外部に流れれば、差別につながる。実際米国では、病気の遺伝子のキャリアというだけで、発病の可能性がないにもかかわらず医療保険への加入を拒否されたり、雇用を断られるといった遺伝子差別がすでに起きているという。
ガンは通常複数の遺伝子の異常で起きるため、異常を持つガン細胞そのものを死滅させる戦略をとる。
脳外科医の中林さん(28)は、日本に大大学付属病院救命救急センター(東京都文京区)に入って2年目の若手医師だ。月の半分は病院に泊まり込み、1992ねんだけで100人以上の「死」と向き合い、6人の患者家族には脳死を宣告した。「脳死はわかりにくい。家族に絵を見せて理解してもらう」と話す。
上半身のイラストを書き、心臓の中に電池の絵を描く。脳が死んでも、心臓は自分の電池で動き続ける。しかし脳の回復はあり得ない。機械が呼吸を手伝っているだけだ、と説明する。治療方針として、�‐紺戯泙覆匹膿澗,鯆垢ご崙阿�す�∈�までの治療を続ける��すべての薬剤投与を打ち切る、と三つの道を示す。
「先生に任せますという家族と、今のままでお願いしますという返事がほとんどだ」日本医大の救命救急センターには、年間1600人と国内最多の救急患者が運び込まれる。最先端の救急医療を誇り、どんな重症患者の受け入れも拒否しない。だが、懸命の治療も空しく580人(36%)の患者が亡くなる。脳死状態になるのは90人だ。医局長の小関さん(44)は「私たちの使命は重症患者の命を救うこと。常に急患を預かるベッドが必要で、脳死患者より助かる見込みのある患者の治療を優先する」と説明する。脳死判定後は、原則として積極的な治療は続けない。平均2,3日で心臓も止まり「完全な死」に至る。
最高の医療機器を備え、教授と研修生が行き交う大学病院の中で、救急救命センターは異質な世界だ。患者を運ぶストレッチャーが廊下を走り、血が床に飛び散る。「大学では一つの臓器を専門に研究論文を書き、ポストを上がっていくのが本流です。なんでも屋の救急医は他の医師に比べ低くみられる。勤務をきついし、学生から敬遠され志望者が少ない」と、東京近郊の私立大学病院の救急医はこぼす。大学病院の医師の多くは人体の、いわば各パーツの専門家だが、救急医は体の全体を診る。しかも生と死の間を漂う命を引き戻すのだ。救えた時の充足感は何物にも変えがたい。
ただし、国立の大学病院の予算の仕組みそのものに問題があるとする意見もある。私立の大学病院なら、収入は病院のもので、そこから必要な物やサービスを買っていこうとなるが、国立の場合、収入はそっくり国家に入る。そして、必要経費は国の歳出予算として、収入とは別立てで文部省からやってくる。収入と経費がバラバラになっているため、国立大学病院の現場スタッフが、良くも悪くも「病院経営」の概念を持てないシステムになっている。
そして、国の病院予算の締め付けの中で国立大学病院の財政が悪化して、そのツケが、大学病院が誇るべき高度な診断・治療に大きな影を落としてきたもの事実だ。「ここ2〜3年は、医療保険で認められた新しい検査もできない状態。大学病院に行けば最高の医療を受けられると思う人をだますことになる」。東大病院検査部の大久保教授は、医療の質への影響を懸念する。
『大学病院って何だ』
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