加藤のメモ的日記
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2010年01月03日(日) テロ戦争で荒稼ぎする奴ら

ブッシュ政権が軍事一辺倒でテロとの戦いに突き進むようになって、ボーイングとロッキードの契約受注は年間何十億ドルも増えた。2002年財政年度に三大兵器メーカーが国防総省から受注した契約の総額は、410億ドル以上。ロッキードは170億ドル、ボーイングは166億ドル、グラマンは78億ドルだった。

軍用の簡易食やライフルからミサイルまで、国防総省が支出する予算の4分の1を今やこの3社が得ている。ビッグスリーはかってない政治的な影響力を駆使して、国防総省予算に占めるシェアをさらに伸ばし続けるだろう。とくにそれが顕著なのは、最近TRW社を傘下におさめたグラマンだ。TRWは宇宙関連の有力な軍事企業で、2002年には国防総省から20億ドルもの契約を得ている。

ビッグスリーは、国防総省だけでなくアメリカ連邦政府のさまざまな機関に食いこんでいる。その契約内容は空港警備や国内監視に始まり、実に多岐にわたる。ロッキードとグラマンは、沿岸警備隊の兵器と通信の改良に関して大規模な契約を結んだNASAもビッグスリーの上得意だ。ロッキードボーイングの合弁企業であるアライアンス社は、スペースシャトル運用業務をNASAから委託されている。

ロッキードは、国防総省などの軍関連機関のために核兵器を開発、試験、製造するエネルギー省核安全保障局(NASA)の有力受注企業でもある。コンピューターによるシュミレーションで新しい核兵器をテストしているネバダ試験場の運営も、ベクテル社と組んで受注している。国土安全保障局、NASA、エネルギー省の核兵器関連施設、さらには内国歳入長などのひ軍事部門からも納税者の血税を吸い上げていることを考えると、ビッグスリーが国防総省から得ている年間410億ドルなど、連邦政府がこれらの企業に惜しげもなく大盤振る舞いしている金のほんの手付け金ほどでしかないことがわかる。

連邦政府との契約で得ている金額は、ロッキードだけで毎年200億ドルを優に超える。この金額は連邦政府最大の福祉プログラム「貧困家庭一時扶助」に例年使われる金よりも多い。ビッグスリーがブッシュ政権の大規模な軍事増強の恩恵を受けられるのは、クリントン政権がポスト冷戦期の軍事産業の大合併を後押ししたためだ。このため大手兵器メーカーはますます膨張した。

歴史上最も高価な戦闘機であるロッキード社のF22は1機2億ドル以上。空母や潜水艦の値段は約20億ドル。第三世界の中には、国全体の軍事予算が20億ドル程度という国あるというのに。軍事産業は国防総省や連邦議会とのコネを使って政府の予算案や議会の修正により、冷戦の遺物に国の金をつぎ込み続けさせることができた。

つまりペリーとクリントンは本当によかれと思って取った行動なのかもしれないが、実のところはロッキードやボーイングなどのような企業をさらに潤わせただけだった。この企業再編の中でボーイングはライバルのダグラスを呑みこんだ。クリントン政権の合併助成策のもとで軍事産業は甘い汁を吸ったが、工場の従業員は話が別だ。

合併補助金の実体は「レイオフのご褒美」に他ならない。要するに会社側は合理化という名目のレイオフを行なうことで助成金を受け取るだけでなく、人員整理によって浮いた金を国庫に還元する責任を負っていないのだ。かくして何万人もの労働者が職を失う一方で、ビッグスリーは政府の助成金をちゃっかり手にしたのである。


『ブッシュの戦争株式会社』


加藤  |MAIL