加藤のメモ的日記
DiaryINDEXpastwill


2009年07月30日(木) 底打ち

「底打ち」とは、最悪期を脱して回復基調に入ったという意味です。単に最悪を脱した「底入れ」より強い表現です。日本政府は先月底打ちを宣言しましたが、アメリカがまだ底入れは近いかといっている段階で、外需依存の日本が先に底入れを飛び越して底打ちするなんてことはありえません。たしかに最近の経済指標には改善が見られます。でも、これには理由がある。企業の在庫が減ったことと、景気対策の効果が少しは出ていること。

企業は08年10月から早めに在庫調整を進めてきました。それで在庫が減ったので、再び補充を始めたというのが、現在の状態です。鉱工業生産指数が3ヶ月連続で上がったと騒いでいますが、その程度の自立反発は当然なのです。しかも、いくら生産を再開したといっても、それが実際に売れるかどうかは、、まったく別の問題です。

追加景気対策15兆円のうち5兆円ぐらいは、本当に景気浮揚に役立つかもしれない。ただ、その効果が切れた時が心配です。ブッシュ前大統領が減税をやっている間は消費は堅調だったのに、終ると同時に縮小傾向になりました。期限付き政策というのは、あくまで「需要の先取り」であって境目で大きな反動をもたらすものです。

今回の景気対策の目玉であるエコポイントは10年3月末までに購入した商品に発行されます。エコカーへの「減税」は12年3〜4月末までですが、「補助金」は予算が決まっている。3700億円の財源がなくなると同時に、制度は打ち切られます。エコカーへの補助金は今年秋にも消えるのではないかと見られている。その時に何が起こるか。「いまハイブリッド車を予約しても、来年まで納車されない」と報道されていますが、補助金が打ち切られれば、ある程度のキャンセルが出て、消費は縮小を始める。

景気対策の効果が切れると同時に、景気が二番底を探りにいくことが心配されます。早ければ10〜12月期GDPから数字とし表れてくるでしょう。1985年から20年間で日本の外需関連企業は倍に増えた。より外需依存になったのだから、国内統計だけを見ていても仕方ないのです。日本の景気の先行きを読む最もいい指標は、実はアメリカの統計だと私は考えています。

戦後、アメリカは12回の景気後退を経験しましたが、その全てにおいて日本も景気後退しています。では、そのアメリカはいつ「底打ち」をしてくれるのか。まだまだ厳しい状況だといわざるを得ない。金融機関は不良債権を抱えたまま経営を続けようとしている。だから、社会にお金が回らない。住宅価格がいつ下げ止まり、雇用統計がプラスになるのか。「底打ち」はこの二つにかかっています。


週刊現代  8/8


加藤  |MAIL