子の年齢:4歳8ヶ月
近代美術館で印象派の絵画展をやるというので、ちーちゃんを連れて行くことにした。 他のお客さんの迷惑にならないように平日の午前中に出かけた。
入り口の噴水でテンションが上がりまくり、噴水の周りをうろうろ。 展示室に入る前に、騒がないこと、走らないこと、展示物に触らないことを約束させる。 「わかった。」 しかし、二人ともわかっていなかった。ちーちゃんにとって、印象派の絵画を見る意味というものを。 さて、展示室に入った。 ちーちゃんは、なぜこの写真のようなものを額に入れてしげしげ眺めなければならないのかわからない。 更に言うと、なぜこの写真のようなものが展示されているだけのつまらない部屋で、騒いだり走ったりしたらいけないのかわからない。 「疲れた、眠い。」 ちーちゃんは靴を脱いで、絵の前の床に寝転んでしまった。 騒いでいるわけではないし、他の人に踏まれそうになっている訳でもないし、展示物を触っているわけでもないのだが、学芸員の方々はぴりぴりしている。 「お母さんに絵を見せてあげて。」 なんて、なだめすかす。
私が見たくて来たんじゃない。 モネとかドガとかゴーギャンとかシャガールとか。ちーちゃんの目を通してみると、みんな薄暗くてつまらない絵ばかりだ。 そうは言っても、せっかく休暇まで取ってきたので、ちーちゃんに絵を対峙させることにした。 ちーちゃんと同じ目線にしゃがんで見たり、おんぶして顔を並べて見ると、「かわいい子がおにんぎょ持っとる。」とか「どろんこのキタナイおしり」なんて感想を述べる。 シャガールのヘンテコな絵には少し興味を持ったみたいで、「馬人間」の数を数えていた。 「ほらここにも!」 「あっ!」 気づいたら、絵を触っていた(ガラスごし)。 学芸員さんに怒られた。
大学の先生は、「日本の親は子供を美術館などに連れて行くべきだ」なんて気軽に雑誌に書くけど、美術館の敷居がちょっと高い。 美術館の敷居が高いこと事態は間違いではない気がする。動物園みたいに、芸術品のパレードをさせるとかそんなことは所詮ムリなんだから。 そんな超高級な美術品じゃなくて、壊れたら買い換える程度の芸術品が手の届く場所にある、というのがいいのかも知れない。
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