子の年齢:4歳8ヶ月
市の広報に載っていた、「子育て自然体験」という企画に応募して、1泊2日で立山青少年自然の家に行ってきた。 開催日の2週間ほど前に資料が送られてきたのだが、山田地区の個人の方から送られてきてびっくりした。4人のお子さんをお持ちの個人の方が企画実行をしていて、市から多少の補助金が出ているというもののようだ。 スケジュールを見てまたびっくりした。1日目「沢登り」2日目「登山」とある。ちーちゃんにできるかな? メンバーを見ると4歳のちーちゃんは最年少だったが、他の子も似たり寄ったりで未就学児が殆どだった。 おまけに夜には花火をすることになっている。従兄弟も兄弟もいないちーちゃんは、子供同士で花火なんてしたことがない。滅多にない機会だ。 ま、未就学児向けの宿泊学習ならなんとかなるでしょ。
さて、当日は台風が通過して穏やかな曇りの日だったが、立山に近づくにつれしとしとと雨が降り出した。雨だから体育館で遊ぶことにならないかな、と期待していたが雷が鳴らない限り雨天決行とのことで、しおしおと森に入る。 天気は悪かったが、それほど辛くなかった。1時間ほど森を探索したあと、膝まで水につかって岩だらけの沢を上る。雨具を着ていると中が蒸れて汗でべたべたになり、ちーちゃんは冷たい湧き水で手足が冷たくなっているが、ゴール地点にあるアスレチックで遊ぶと言う。不思議に風邪もひかない。 メンバーの殆どは山田地区の同じ小学校区の子達で、すでに友達関係が出来上がっている。そういうところに入り込むのはどうも苦手だ。どうせなら全員初対面がいいのに、と思っていたがどうやら私だけで、ちーちゃんはいつの間にか友達になっていた。そうか、ヘンな先入観を持たずに、ちーちゃんの力を信じればいいんだ。 さて、1日目に沢登りが済んだので、2日目の登山は楽勝だと思っていたのだが、実はこれが一番の難関だった。細い尾根を下るくねくね道に雨が降り続いて滑りやすく、両脇に茂る孟宗竹の葉でちーちゃんは顔を切ったりするのだった。身長の低いちーちゃんはどんどん他のメンバーに差をつけられて、気がついたら、山の中に二人だけになっていた。日頃から方向音痴のママに手を焼いているちーちゃんは、強い不安を感じたようで、泣きながら怒り始めた。「もう、ママがこんなん申し込むから。ベタベタドロドロでもうヤダ。」 そんなに怒る力があるなら、もっと歩く方に専念してもらいたいものだ。ちーちゃんは30分近く怒り、泣きわめきながらもどうにか歩き続けた。二人で尻滑りして全身泥まみれになったところで先頭から捜索が来た。ちーちゃんは急に元気になって歌を歌い始めた。 そうやってようやくバスの来る場所までついて、自然の家についたら、もうお昼だった。ソフト麺みたいなラーメンでももりもり食べる。 そして解散。凄く充実した2日間だった。 ちーちゃんは自力で山を降りたことで自信がついた。自分はできる、という確証を得たようだ。そして私もそんなちーちゃんを見て、「ちーちゃんはできる。ちーちゃんに任せよう。」という気持ちになった。
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