子の年齢:1歳4ヶ月
パパの実家近くの寺が本堂を建て直したので、落成式に稚児を募っていた。
稚児? 稚児の扮装をして、神輿に乗ったり舞を奉納するんだろうか?そんな高尚なことがちーちゃんにできる筈がない。 ちーちゃんには無理だろう、と言ってみる。 −なん、そんなんじゃないが。
ふうん。 でもなんか面倒臭そう。疲れそう。思いっきりブーイングを出してみる。
−申し込んでもいいけど、当日(パパが)出張だったら行かんよ。 ー出張断っちゃ。 という条件で申し込んだ。
で、当日。快晴。
朝8:30〜受付で「お練り」が10時出発。 休日の朝なのに早起きしなくてはならない。ちーちゃんの身だしなみを整えなくてはならないし、パパはヒゲ剃り、ママはお化粧してスーツを着なくてはならない。 ママのブラウスが決まらない。白いシャツだとキチンと見えるけど華やかさに欠けるので、フリルのついたカットソーにする。 慌てて出発して、パパ実家についた時にカメラ一式忘れたことに気付く。 ママが取りに戻って、なんとか受け付け会場の公民館に付いた時には、9時半だった。
さて、公民館は幼児とその両親と祖父母たちでごった返していた。 そして、皆さんの服装は、殆どが着物か礼服。こんな色物のスーツを着ているのはウチだけだ。 まずは、お化粧。ちーちゃんの顔にオシロイを塗って、おでこに麻呂のような丸い眉を書く。書く、というよりはスタンプでポン。次に口紅、というところで半べそになって来たので、男の子だからやめとこう、ということになる。 次に着替え。衣装のレンタルを申し込んでいるので、受付で受け取る。青いひとつ身に濃い青の兵児帯をしめて、キンキラキンのカタビラみたいなのを着る。頭には烏帽子をかぶるのだが、ちーちゃんが嫌がるのでうまく固定できない。烏帽子の紐は結ぶのが難しそうだった。 厚着になったので身動きが取れない上に、暑い。 だんだんご機嫌が怪しくなる。その上なかなか始まらない。 やっと「お練り」が始まった。 とはいえまず整列に時間がかかる。2列になって紅白の紐に沿って並ぶのだが、途中で紐が交差してしまうらしく、何度も入れ替えがあった。 公民館から本堂まで1kmないと思われたが、おそろしくゆっくり行進した。10kgのちーちゃんを抱いてゆっくりと行進するのはとても辛い。 ようやく境内に入る。 馴染みのない寺なので、予備知識が全くなかったが、着いてみるととても立派な寺だった。 参道の両脇に5人の坊さんと10人のおばあさんが、楽器を鳴らしたり歌を歌ったりしている。 階段を上った所で、ちーちゃんが何かをじっと見ているのに気付き、振り返った。ひときわ豪華な袈裟の坊さんが、椅子に座っていた。
枕草子みたいでちょっと面白い(何の段?と訊かないように)。
ご本尊の左右に立った坊さんが、ちーちゃんの頭にちょん、とバチで水をつけてくれる。 それでお終い。 午後に獅子舞もあったそうだが、弁当とお土産を貰って退散した。
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