ちーちゃんままの日記

2003年10月18日(土) 秋刀魚の味

子の年齢:妊娠8ヶ月
読んでいる本:『もてない男−恋愛論を超えて』小谷野 敦著 ちくま新書

 NHKBSで小津安二郎特集をやっていた。映画評論を読んでいると必ず小津の名前が出てくるので、一度は見ておこうと思っていたが、レンタルビデオ屋に行くといつも忘れるので、まだ見たことがない。
 いつか読んだ芸能記事に、小津安二郎生誕100周年記念作品に出演する浅野忠信に「一番好きな小津映画は?」と聞いたら「実はまだ見たことがありません。」と済まなさそうに答えたので、監督が呆れ返った、というようなことが書いてあった。
 昨夜は『秋刀魚の味』だった。1963年製作だというから、生まれる前どころか両親が結婚もしていない。
 母はリアルタイムで知っているのかしら、と思っていたら、部屋に入ってきた(夫が出張中なので実家に里帰りしている)。母にしては珍しく画面にクギ付けになった。聞けば母も放送を楽しみにしていたが、放送日を間違えて記憶していたらしい。
 母は小津安二郎なぞ知らない。佐田啓二の映画が見たかっただけらしい。しかし、他のキャストも若かりし頃の憧れをかきたてるらしく、場面が変わる毎に「あ、この人誰だっけ?」と考えていた。
 わたしにとってはまるで、昭和初期の資料映像だ。女性の登場人物の衣裳がレトロでとてもかわいい。そして、ものすごい男尊女卑のエピソードが随所にちりばめられている。
 小津映画にノスタルジーを感じる人は、同時に男尊女卑にもノスタルジーを感じているのでは、というのは考え過ぎだろうか?


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