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2005年08月20日(土) ■ |
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『ナルニア国物語 ライオンと魔女』C.S.ルイス 瀬田貞二訳 |
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『ナルニア国物語 ライオンと魔女』C.S.ルイス 瀬田貞二訳 英文学を代表するファンタジーだという評判を聞いて読んでみた。なるほど、ひとつの世界観を背後に隠しもって、息もつかせぬ展開で面白い。
四人姉妹兄弟の末妹ルーシィは好奇心で洋服ダンスの奥の『探検』を試みる。洋服の重なりのもっと奥の暗いところにある『何か』へ入っていくとなぜか雪の積もった森の中に入ろうとしている。振り返るとたんすの入り口はまだ見えている。『ルーシィは少しこわくなりました。けれども、いっぽうでは、こころがわくわくして、ゆくてをつきとめてみたくてたまらなくなりました。』ここでひきかえさなかったルーシィに乾杯!
ただ、著者の親友であったというトールキンの『指輪物語』と比べると、まだ当時のイギリスの生活の『世界』が『ナルニア国』自体に色濃く残っていて、独自の世界観の構築に成功しているとは言い難い。お茶の習慣などは当時の上流イギリス文化そのものであろう。サンタクロースまで出てくる。子供が読むには『良質』の物語だと思う。 (05.07.31記入)
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