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2005年08月17日(水) ■ |
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『ひまわりの祝祭』 藤原伊織 |
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『ひまわりの祝祭』講談社 藤原伊織 まず、読みだしたら止まらず、いろんなことを犠牲にして二日で読み切ったという事を告白しておこう。
その上で述べるのだが、著者の本を『テロリストのパラソル』に次いで読んだのだが、失望した。著者が長年勤めていた広告代理店の論理でいえば、第一作めがヒットしたなら、次ぎの二作目あるいは三作目ぐらいまでは同じ傾向の作品を作る事が消費者の期待に応えることになるのかもしない。
一作がそこそこ面白かったぐらいならそれも有りだったかもしない。しかし一昨目が江戸川乱歩賞、直木賞のダブル受賞をするような作品だったとしたら、次ぎの作品は一作目をこえて欲しいと願うのが、ファンのワガママな期待というものである。ところがこの作品一作目と構造があまりにも似ている。そもそも「ハードボイルド」というものは構造が似ているものなのではあるが、主人公は頭のいい世捨て人、もと好きだった女性によく似たヒロインが現れる。主人公の過去と絡んで物語が進んでいく。魅力的な相棒が現れる。意外な人物が悪役である。
ここまで似た作品を創ってしまうとは、面白かっただけに失望した。 (05.07.18記入)
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