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2005年07月17日(日) ■ |
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失踪日記 [著]吾妻ひでお |
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失踪日記 [著]吾妻ひでお
吾妻ひでお、といえば「不条理日記」である。シンプルな線で、SFのどろどろとした世界と愛情を、笑いのオブラートに包んでみせてくれたときの驚き。たまたま職務質問された警察署の中にいた「おたく」の警察官が「先生とあろうものが」と絶句した気持ちは良く分かる。その場でサインをもらったのも。ただ「夢」という題のサインをねだるとは(絶句)。
彼が失踪したくなった気持ち、あるいはほかの職種に変わった気持ち、アルコール依存症にまでなったのは、ぜんぜん分からないわけではない。私の生活もこの春からそのようなものだ。ただ、良く分かると言ってしまったら、彼に対して、彼のこの「すべて事実だ」という作品に対して「失礼」だろう。ただ漫画の力というのはすごい。読んで二週間以上経っているのに、いまだにルンペン生活の状況がありありとよみがえってくる。「力」のある作品である。 (05.05.02記入)
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