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2004年12月05日(日)
「片思い」東野圭吾

「片思い」文春文庫 東野圭吾
最初読み終わった直後は違和感が残った。そんなに「うまくいく」ものだろうか。ほころびがありはしないか。数日後、思い返してみて、ほころびがない事に気がついた。うむ、凄い。そうだとすると、一つ一つのエピソードが切なく迫ってくる。
私は思うのだが、東野圭吾は「失恋」物が非常に上手い、というよりたいていの物語は失恋物なのではないか。失恋ではなかったら、片思いである。「秘密」にしても壮大なる失恋の物語であるし、「白夜」にしてもある男の片思いの物語だとも読める。常連の加賀刑事にしても、私は長い長い片思いの最中だと推察している。著者の写真を見る限りはあんなにいい男なのに、分からないものです。