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2004年11月20日(土) ■ |
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「オールド・ボーイ」は70点 |
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「オールド・ボーイ」パク・チャヌク監督 チェ・ミンスク ユ・ジテ カン・ヘジョン 去年の今ごろ、韓国・釜山の街で偶然この映画を観ていた。偶然というのには少し語弊があるかもしれない。12月のはじめに韓国に行った時、なにかの作品を観ようと心に決めていた私は、喫茶店で読んだ韓国の映画雑誌で星が一番多く、評価が高かったのがこの作品であったのだ。もちろんなんの前知識も無かった。辛うじて韓国題名も「オールド・ボーイ」であり、切符も買うときに困らなかった事を覚えている。次ぎの週からは「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」「シミルド」が始まり、さらには「ブラザー・フッド」が控えていたので、ちょうど韓国映画の狭間の時期であったのだろう。作品自体は主人公を中心によく動くのでセリフが分からなくてもなんとなくストーリーは追える。チェ・ミンスクの最初の酔っ払いサラリーマンぶりには驚愕した。役づくりのためとはいえ、見事に太り、そしてガリガリに痩せて、「シュリ」のときはうって変わって感情の振幅の激しい役柄である。いや、正直言って彼の役者根性振りしか心に残らなかった。韓国語が分からないので、敵方の心理状態が今一つ分からないまま、終った。そしてこの題材はもしかしたら、日本にはやってこないかもしないなあと思っていたのである。そのときは韓流ブームが起こるとか、この作品がカンヌグランプリをとるとか、もちろんこれっぽっちも予測はしていなかった。
日本という国においては、「流行」とか「国外の評価」というのは、これほどにも決定的なのである。まさか全国拡大ロードショーになろうとは。そういう題材ではないだろう。日本語でみても結局さいしょの印象と変わらない。敵の心理状態はやっと少し分かったが理解できない。こんな不条理がどうして評価されるのか分からない。結局、題材が問題ではなく、「感情表現」が素晴らしかったのだろう。あくまで単館系で観るべき作品である。(釜山ではロードショーで若者中心250人以上、よく入っていたが。私の観た日本の館では初日にもかかわらず、20人ぐらいの入り。)ただ最終シーン。主人公の最後の顔の表情は後々まで心に引っかかる。
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