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2004年11月15日(月)
「コラテラル」は70点

ロザンゼルスのタクシー運転手・マックス(ジェイミー・フ
ォックス)は、ある日ヴィンセント(トム・クルーズ)という
客を乗せる。法外な前金を払う彼にマックスは気をよくしたが、
ヴィンセントは一晩で5人の殺害を計画している殺し屋だった
のだ……。

 トム・クルーズがこれまでに演じたことのなかった“完全
ヒール(悪役)”にチャレンジする意欲作。監督は『ヒート』
『ラスト・オブ・モヒカン』のマイケル・マン

「コラテラル」というのは、巻き込まれるという意味だったのか。

出自の事情はあるものの、冷徹で非常に優秀な(ゴルゴ13ほど
ではない)殺し屋の内面に共感する人はたぶんいるだろうけど、
(女性は理屈抜きに共感するのだろうか)、それはよほどの偏
屈だと思う。常識人なら、やはりタクシーの運ちゃんに共感す
るだろう。よって、彼がどれだけリアルに描けているかは、こ
の作品の成功の大きな要素だと思うが、さすがにマイケルマン、
そつなく作っている。だから殺し屋のあの一言が心に残り、運
ちゃんがこれからどういう人生を送るか想像がつくのである。

しかし、そうであっても、どうもしっくりこなかった。たぶん
一番の悪役に決着がついていないからだと思う。勧善懲悪の物
語ではないと分かってはいるんだけど……。