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2004年06月05日(土)
『トロイ』は80点

『トロイ』ウォルフガング・ピーターセン監督 ブラッド・ピット(アキレス)、エリック・バナ(ヘクトル)、オーランド・ブルーム(パリス)、ダイアン・クルーがー(ヘレン)ブライアン・コックス(アガメムノン)、ピーター・おとーる(プリアモス)、ローズ・バーン(プリセウス)、ショーン・ビーン(オデッセウス)80点
ちょっとした妄想です。お間違えなきよう。
『指輪戦争』が終わりエルフと魔法使いも去り、
人間の世紀たる第4紀に入ってはや数千年、
人間は懲りもせず、戦争をしていた。
魔法や魔物はすでにないが、体力と知恵で
ギリシャのアガメムノンは地中海世界を制覇しつつあった。
ただフロド著『指輪物語』は口承で伝えられていて
『私たちはやがて出来るであろう伝説の主人公になるんだ』
というサムの言葉は
アキレスを始め多くの民衆の中に血なり肉となっていた。
アキレスは『名を残す』ことに自分の生きがいを見つける。
まだキリストは生まれていないので、
『正義のための戦争』などという概念は生まれず、
『わしの嫁を寝取りやがった』という個人の欲望で
戦争を起こすことが出来た。
しかしそれだけでは兵士の士気は上がらない。
我々は何者なのか……という深い哲学的思索が
その後ギリシャの中で生まれるのは当たり前であった。
『人間は死ぬべき存在である。だから美しいのだ。』
アキレスはひとつの真実に到達していたが、
いかんせんそれは哲学として昇華されるのには
数千年の時間が必要だった。
ただ男と女は昔からいや今以上に率直に愛し合っていた。

歴史考証にちょっとそれは誇張だろう、
というものが多すぎとか、
アガメムノンの処理の仕方とか
(あれでは名作『アガメムノン』は生まれないよお)
不満はあるが、
それとテティスの役割が小さいので
『運命と人間』という叙事詩的テーマが散漫になったとか
色々あるけど、
私『ロード・オブ・ザ・リング』第四部として楽しみました。
禁欲的なエルフとして死んだレゴラスの無念がパリスとして転生し
『戦争には力が必要』という間違った考えで命を落としたボロミアは
英雄オデッセウスとして転生した、と私は『解釈』しました。
もちろんあの崇高なホビット族がいないので
第四部の評価が低いのはいかんとも仕方ありませんね。