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2004年05月06日(木)
「折り梅」松井久子監督 原田美枝子 吉行和子

「折り梅」松井久子監督 は90点
前作「ユキエ」では、夫婦愛に焦点を絞って描いていたが、どちらかというと二人とも芯の強い人であまり悩んでいなかった。一方で「長いお別れをしているだけなのよ」というセリフから分かるように別離の物語であった。
今回の登場人物たちは思い悩み、試行錯誤し、精一杯介護保険を使い、そして最後には「共に生きていく」所で終る。非常に良かった。日本のアルツハイマー介護の到達点(ヘルパー、グループホーム、デイケア)も見えるし、吉行和子と原田美枝子の演技合戦(どちらも負けていない。私は引き分けと見た。一方では二人があまりにも凄いため、他の演技者の荒がみえる。)も見応えがある。
最後の終り方が「甘い」かどうかは私は判断が付かないが、私はあの描き方しかなかったように思う。「アルツハイマーになってもなお、東美展に入賞するような才能が花開く。(事実にもとずいているらしい)」人間とは凄いものだ、と率直に思わせるような映画である。そう思わせるだけでこの映画は凄いのである。04.01鑑賞