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2003年09月12日(金)
「女子中学生の小さな大発見」清邦彦編著

この日記は、日記というよりは、私の読書ノート、映画ノート、旅ノートの統合版のようなものです。この文章はamazon.comへのレビューに投稿したものですが、第1段落目は文字数規定に引っかかると思い自主的に削除しました。

「女子中学生の小さな大発見」清邦彦編著 新潮文庫
私の夏休みの宿題には理科のレポート提出というのは無かったと思う。その代わり、「発明」を作るというのがあった。先生はいう。「何も大発明を作る必要は無いのよ。ちょっとした工夫があればいいんだから」そんなこといったってそう簡単に無から有が生じるはずもない。結局夏休み終了間際に、どこかの本から盗んできたアイデアをそのまま借用し、一日か二日掛りでまったく役に立たないガラクタを作る羽目に陥るのだ。今になって思う。普段から困ったことをなんとかしようという気持ちさえあれば、「深づめをしないための自分専用の爪切り器」や「お母さんの白髪最速発見器」など、「発明」することが出来ただろうにと。

科学の基本は「なぜそうなるのだろう」というなぜを持つことから始まる。けど、それは「訓練」無しに突然出てくることではない。清先生は普段から女子中学生に「大発見」の機会を与えていた。「0さんは爪の伸びる速さを計りました。一日に0.3mm伸びます。」こんな「発見」でも全校生徒に配られるニュースにのるんだということが分かると、生徒は次々と発見レポートを先生に知らせるだろう。
それが見事な「訓練」になっているのだ。

もう夏休みは終っているし、中学生の宿題のヒントになりそうな「発見」は紹介するのは止めにし、文学的な香り漂う「発見」を紹介してみよう。「0さんは万歩計をつけて寝てみました。朝までに12歩、歩いていました。」 「Hさんがアリを踏んでしまったら、たくさんのアリが近寄ってきて怪我したアリを巣につれて帰ろうとしていたそうです。」「Kさんはお正月の酔っ払いの観察をしました。「帰る」といって、30分飲んでいて、また「そろそろ帰る」といって帰らず、一時間たって3回目の「帰る」で帰りました。」