日々あんだら
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2013年02月12日(火) 六甲山(前編)

六甲山、という山がある。
山、というより普通に「六甲」と言えば、西宮〜芦屋〜神戸と連なる六甲山系を指す。
言わずと知れた夜景のメッカ、関西の定番デートスポットである。

関西で計6年半を過ごした僕にとっても馴染みの深い山で、一人でも、友人や恋人とも、よく行っていた。
もちろん、車でである。
特に大学時代には、一人で暇つぶしに六甲をドライブしたり、
男だけで夜景スポットに行き、いちゃつくカップルに囲まれながら下品な話をでっかい声で話したりした。
当時好きだった女の子を誘って夜景を見に行き、告白しようとしていた時には、
観光客のおばちゃんたちが大量に来襲してきて雰囲気をぶち壊されたものだ。
『天罰』という言葉の意味を、最初に実感した場所でもある。

僕にとっては、そんな思い出深い山である。



登山を始めてから知ったのだが、六甲はまた、関西の山登ラーたちにとっての定番スポットでもあるらしい。
関東で言えば高尾山や丹沢みたいなものか。
で、こないだ何気なく関西登山ガイドみたいなのを買ってしまい、見てる内に登りたくなってしまった。
だって六甲だから、という理由だけで十分だ。
そして、六甲は猪の大量生息地帯でもある。
ということは、初夏以降はヤマビルの大量生息地でもあると推測される。

…行くなら今しかない。

ということで、関西に住む、登山好きそうな友達何人かに声をかけ、
残念ながらやんやんが捕まったので日曜日に2人で登ることになったのである。
題して、『芦屋〜六甲〜有馬縦走、男2人湯煙の旅』である。

やんやん「後半いらん!!」





朝8時、前日の酒もすっかり抜けたやんやんと芦屋川の駅で待ち合わせ。
妙にかわいこぶった記念写真を撮ってスタートである。

この前の日がとにかく寒くってどうしようかと思ってたんだけど、この日は快晴でポカポカ。
駅から住宅地を抜けてホントの登山口に着くまでの間でもう汗をかいた。
やんやんとは2年前に一緒に富士山に登った仲だが、その時もとにかく天気が良くて眺めが最高だった。
おれらの組み合わせはなかなか運が良いらしい。

しばらく歩いて滝を過ぎたところで、コースが二手に分かれていた。
一般コースと中級コースである。
「どうする?」
「時間的には余裕ありますけどねー」
「じゃあ、中級行ってみるか!」

と、初心者と中級者のちょうど境目くらいの2人は中級コースに向かう。
そしたらいきなり急な岩山である。マジか。
上の方に赤いリボンが見えたのでそこめがけて登る。
そしたら次の目印が見当たらない。
踏み固められた細い道をちょっと行ってみたら、切れ落ちていた。無理ここ。
すでに少し心が挫けかけている。だが、それを口に出すわけにはいかない。
男には男の意地があるのだ。
やんやんの顔を見ると、多分おれと同じものを飲み込んでるんだろうな、ということが察せられた。

すると、下の沢の方を上がって行く人がいる。そっちになら降りられそうなので降りてみる。
こっちの沢沿いが正しいルートなのか?じゃああの赤いリボンはなんなん?
地図を出して確認してみるが、こっちのコースは載っていない。
…そういやこれ、初めて山歩きする人用の地図やった。(会社の近所の本屋にはそれしかなかったのだ)
いい理由が見つかった。

「地図ないし、やめとこか」
「そうですねー、今度にしましょう」
「まあ、今日のところはこれくらいにしといたろ」
「なんで上から目線なんですか!!」

それが負け犬の正しい作法である。



で、一般ルートに戻って登る。15〜20分くらいのタイムロスだが、まあ時間には余裕がある。


登り始めてすぐに、こちらもまあまあな岩場に出る。噂のロックガーデンだ。
ここ、おもろい。
何を隠そうこのおれは、滑りやすいところは大の苦手だが、崩れやすいところは比較的得意なのだ。

で、ガンガン登って風吹岩という、ビュースポットに到着した。


霞がかってたけど、芦屋〜神戸の街並みが一望できる。送電線がちょっと邪魔。
(この霞はもしかして噂のPM2.5ってやつか?)
そこで、カップルから声をかけられてやんやんが記念撮影をしてあげている。いい光景だ。
撮り終わってからカップルの男性に言われた。

「よかったらお二人撮りましょうか?」
「いや、いいですよ、そんな関係ちゃいますから」
「ええっ!!ちゃうんですか!?」

こういう会話が軽く成り立つのはやっぱり関西やなぁ、と嬉しく思う。
しかしたとえネタとは言え、こんな風に言われたのは、職場でゲイ疑惑のあるやんやんがいたからであろう。
(彼の名誉のために言っておくが、彼はゲイではない。相当な女好きである。←フォローかこれは?笑)


そしてさらに先へ進む。


日陰に入ると、雪が残っていた。そしてもちろん凍っている。
だから、滑りやすいところは苦手なんやってば。。。って思ってたら軽い下りでやっぱりこけた。
後ろのおばちゃん(へっぴり腰)が悲鳴を上げるくらいの勢いで。
立ち上がりながら「ここ、滑りますから気を付けてくださいね」とおばちゃんにアドバイスする。
んなもん、言われんでもわかってるわ!というツッコミもなく、おばちゃん引きつった顔でうんうん頷いた。
そして気づくと、ストックが曲がっていた。なんてこった。|Д`)
(ちなみにやんやんも1回こけた。笑)

それもごく一部の区間だけで、その後しばらくは凍っていることもなく滑ることはなかった。
が、おれの苦手な階段が続く。やんやんも嫌いらしい。
「なんでこんなに歩幅が合わへんねん」「同じ脚ばっかりで上がるからきつい」と口々に文句を言いながら登る。
とは言え、やんやんが速い。
富士山登った時もおれよりだいぶ速かったのでわかっていたんだが、時々「ストップ!」って止めないと
軽く置いて行かれるような速度差。
昔より差が広がってる?年齢のせいか?でもおれ、そこそこ山に登ってるんやけどなぁ…
ひさしぶりの登山のやんやんに置いて行かれるのはちょっと納得いかん。
脚か!脚の長さが問題か!!

そしておれはもちろん汗だくである。
「hideさん、湯気出すぎ!!(笑)」
自分でもわかるくらいにもうもうと湯気が立っている。
湯気くらい出るわ!だって人間だもの!!
こないだの筑波山では、ゴアテックスのジャケット越しにも湯気が出ていたのである。(笑)
(あれはあれでゴアテックスの透湿性を目視できて感動したんだが)

まあ、湯気ぐらいはいいにしても、気が付くと頭がクラクラしていた。
うわー、あかんヤバい!ハンガーノック起しかけや!!と思い、行動食を引っ張り出して食べる。
今回の行動食は柿ピーとマーブルチョコのミックスである。
ゲテモンっぽいけど、これが意外と気にならない。
辛い・しょっぱい・甘いのコンビネーションが絶妙というか微妙というか、ギリギリのラインである。

食べて少ししゃっきりしたので歩き出した時にやんやんが言った。
「hideさんが食べるって言うから止めへんかったんですけどね…」
彼の指さす方に屋根が見えた。
頂上すぐ下の一軒茶屋に到着したのだった。

早く言えや。|Д`)




そして12時ジャスト。登り始めて3時間半で六甲山最高峰931mに辿り着けたのだった。
記念写真は今見返してもグッタリしとる。(笑)



少し下った見晴らしのいい岩の上で食事の準備をする。
今日の山飯はおでんである。と言っても100円ローソンで買ったおでんを温めるだけだ。(笑)
と、おれが下したリュックを持ち上げたやんやんが言った。
「hideさんが遅れてたん、ぜったいコレのせいですよ!!」
この日の荷物は推定17〜18kgくらいあった。六甲日帰りの荷物量ではない。(笑)




100円おでんだけでは物足りないので、ウインナーも軽く炙って加えることにする。
やんやんのストーブで炙る。軽く焼き目がついたところで、おでんの鍋に投入。
…と「hideさん!」と呼び止められる。
「2本、残しましょう」
奇遇だ。今おれもそう思ってたところ。(笑)



そして、温まったおでんで乾杯(本日1回目)をしたのであった。






眠いので、以下次号。(笑)





関係ないけど、今日のタイム。

39分38秒。(8km、ランニングシューズ)

まだ六甲のダメージが脚から抜けきってないなぁ…


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