日々あんだら
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2010年12月28日(火) |
「カシオペアの丘で」 |
昨日から帰省してます。hideですこんばんは。 会社の仕事納めは今日やったんやけどねー。有給取ってやりました。 今頃、みんなは忘年会中のはず。(笑)
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帰省してくる道中と、家に着いてからの数時間で、重松清「カシオペアの丘で」上下巻を読破。 今まで読んだ数千冊(多分)の本の中で一番泣いたのは、同じく重松清「流星ワゴン」だったんだけど、今回のコイツがそれを軽がると越えてしまいました。 大阪からの高速バスの中、高松に着いてから昼食に入ったカフェ、故郷に渡る船の上、帰宅してから、ボロボロ泣きまくり。(笑) …涙もろくなったなぁ…年か。
彼の作品は、明るい楽しい話はほとんどない。 多くの作品の根底には挫折や絶望が流れている。 リストラ、いじめ、家庭崩壊、死病…etc. そして、ハッピーエンドではない。 ずーっと沈んだまま話が進んで、そのまま改善されずにストーリーが終わる。 仕事は見つからないし、いじめは無くならないし、夫婦のよりは戻らないし、病気は治らずに死んでいく。
でも、そのラストシーンの数日後、数週間後、数ヶ月後に、状態が上向いてくるんじゃないか、この後よくなってくるんじゃないか、と思わせる余韻を残して終わるのだ。 だから読後感はとても良い。暗くて重い話だったのに、とても気持ち良く読み終えることができる。 それは「希望」の物語なのだと思う。
今回読んだ「カシオペアの丘で」は、末期ガンの男を中心に、その幼なじみ達、家族、肉親、周りの人々を描いた物語だ。 これを読んで、今までないくらい色んなことを考えさせられた。
死ぬということ。 その時、何を伝え何を残すのか。 やり残したこと。 死ぬ前にやっておかねばならないこと。 会っておかねばならない人。 行っておかねばならない場所。 後悔。 苦しみ。 あがき。 諦め。 親友。 家族。 肉親。 故郷。 許すこと。 許されること。 …
自分が余命を宣告されたらどうするか。 自分の大切な誰かが余命を宣告されたらなにができるのか。 生き方とは結局死に方だし、死に方とは結局生き方だと思う。(事故なんかは別にして)
そんなことをずっと考えながら一気に読みました。 ボロボロ涙を流しながら。(笑)
長いし重いし凹むけど、とても深くて、綺麗な涙が出るお話です。 読みたい人がいたらお貸ししますよー。^^
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