日々あんだら
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2010年12月21日(火) モーニング

小路幸也著「モーニング」を読んだ。



40歳をすぎた頃、事故死した親友の葬式に集まった4人の仲間たち。
葬儀を終えたところで、その中の1人が「レンタカーでどこかまで走って自殺する」と言い出す。
彼を思い留まらせるために二十数年ぶりに集まった彼らの、福岡から東京に向かうロングドライブが始まる。




2日間の朝と夜の通勤電車の中だけで読み終わった。
読み終わった時に泣きそうになった。
さすがに電車の中で泣いたりはしなかったけど。


僕も、彼らほどではないが大学を卒業して10年以上が経つ。
実はその間、大学時代に一番仲の良かった友人たちとは一度も会っていない。
同じゼミの連中とはOB会で1〜2年に1回は会う。
他のゼミのプチ同窓会になぜか参加したこともある。

でも、家が近所で、なにかあれば集まり、なにもなくてもなんとなく集まり、なにをするでもなくダラダラした時間を一緒に過ごしていた数人の友人たちとは一度も会っていない。



授業をサボって誰かの部屋で昼間から飲んだ。

深夜0時になんとなくドライブに行きたくなり、みんなで気の向いた方に車を走らせてたら朝6時に姫路港で夜明けの海を眺める羽目になった。

毎週水曜の夜9時からは近所の公園でフットサルをした。

夕方、お腹が減ってきたら誰かに電話して神戸や加古川まで晩ご飯がてらドライブをした。

みんなで良く合コンに行ったけど、そこで彼女ができたのは1人だけだった。

暇になるとカラオケに行った。

男数人で良く六甲の夜景を見に行った。
カップルが多い日はわざと大きな声で下品な話をして雰囲気をぶち壊した。

行きつけの心霊スポットがあった。

部屋の留守電によくイタズラ電話をかけた。

夜中に騒ぎすぎて何度か警察に通報された。

初代グランツーリスモ(最速王は僕。笑)やウイニングイレブンを延々とやり続けた。

フラれても、バイトを首になっても全部ネタにして笑い飛ばした。

誰かの部屋で飲もうと車で酒屋に向かう途中、BGMでジュディマリの「くじら12号」が流れた瞬間、全員が海に行きたくなりそのまま須磨まで行った。

「日本最後の清流を見に行こう!」と車で四万十川を目指したがあまりの遠さに挫折して吉野川を四万十川だったことにして引き返した。
その夜は車の中で雑魚寝した。
翌朝、金比羅さんにお参りし、うどんを食べてから大阪に帰り、その足で合コンに行った。

学部の女の子たちのランキングをみんなで協議して決めた。

夜中の大学で酔っ払って延々と前回り受け身を繰り返し、みんなで気分が悪くなった。
翌朝気付いたら腕が傷だらけだった。

天空の城ラピュタの台詞を全部覚えているやつがいて、一緒に見ているとすべての台詞を暗唱するのでウザかった。

ここではとても書けないような、女子には絶対聞かせられないような話もたくさんした。



どこにでもいる、馬鹿な大学生だ。
他人から見たらなにも特別なことはない。
でも、人生で一番怠惰で一番活動的だった時期を、一番長く過ごした仲間たちだ。
やっぱり彼らは特別な存在なのだ。


けど、一度も会ってない。
会社も、住む街も、生活リズムもバラバラになった。
家族をもってるやつももちろんいる。
なにも気にせず朝まで飲めるような体力でも環境でもなくなった。
よくも悪くも「大人」になったのだ。


数年前、一度だけ僕以外のみんなが集まって飲んでいる時に電話が掛かってきたことがある。
「なんでおれを呼ばへんねん!」と怒ったんだけど、理由は社会人1年目に携帯を変えた時、新しい番号を連絡してなかったせいだった。(爆)
「今度やる時は絶対誘えよ!」と言って電話を切って、それっきりだ。

集まりたいな、って思う。
いつでも会えると思っていたら、いつまでも会えない。
そうしてる内に、誰かが急に欠けてしまう。
そういうことがあることくらい理解できる程度には歳を取った。
「会っておけばよかった」と思う前に会いたい。
年末、みんなに連絡してみよう。



…もし、あれからもみんなで集まってたりしたら、泣くなぁ…^^;


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