日々あんだら
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2008年08月07日(木) |
屋久島日記〜深い森編〜 |
屋久島にいた7日間で、登山(ハイキング?)コースを3つ回った。
まずは小手調べに「屋久杉ランド」。(標準タイム:2時間30分) 寿司屋の大将に「縄文杉は行かなくても、ここには行ってください」とまで言われた、 「白谷雲水峡〜もののけ姫の森〜太鼓岩」のコース。(標準タイム:4時間) そして、そうは言うもののやっぱり行っとかなあかんやろ、な「縄文杉」。(標準タイム:8〜10時間)
山登りとか全然したことがなくて、アウトドアショップに行ったらあれもこれも必要に思えて、 1〜2万円分くらいグッズを揃えて行ったんだけど、ほとんど活躍の機会はありませんでした。 (まあ、日が暮れてしまった時、とか、道に迷った時、とか、仕方なく山中で一夜を明かす時、とか、 そういう時用のグッズだったので使わずに済んだのはいいことだったんだけど。笑)
小豆島にも森はあるし、前に住んでた所沢にも森はあった。 でも比べたら悪いけど、そんな森がちゃちに見えるくらい、屋久島の森は圧倒的に深かった。 その辺に立ってたら神社の御神木になってそうな木がどこにでも立っていることもそう。 このあたりに転がっている倒木や石がびっしりと苔むしていて、視界全部が深い緑色だったこともそう。 昨日の日記にも書いたけど、サルやシカがすぐ傍で草を食んでいたこともそう。 登山客はたくさんいて、人の気配に満ちてはいたんだけど、それでもやっぱりそこは深い森だった。
あと、ゴミがほとんどと言っていいほど落ちてなったのもすごかった。 あんなにたくさんの人が行き来しているのに。 それだけ登山客みんなが大切にしてるってことなんだろうなって思った。 自然の豊かなところにはいろいろ行ったけど、これだけゴミが少ないところは初めて見た。 普段、ゴミをポイ捨てすることはなくても、落ちてるゴミをわざわざ拾ったりしない僕だけど、 屋久島の森で見つけた数少ないゴミは全部拾って帰ったもん。(笑) 決して汚してはならない場所だと思った。 (あと、やっぱり地元の人たちが登ってゴミ集めをしたりもしてるらしい)
*
屋久杉ランドは30分、50分、80分、150分の各コースに分かれていて、 初心者には行きやすいコースだと思う。 30分と50分のコースは完全な「ハイキングコース」やしね。 僕は縄文杉へのウォーミングアップ(というか、自分がどれだけ歩けるか確認)のつもりだったので、 迷わず150分コースに行ったけどね。 そしたら写真を撮ったりしてゆっくり歩きすぎて、4時間30分もかかってしまいました。 標準タイムの倍近くかよ!!
んで、足のダメージがどれくらいかわからなかったので、1日置いて白谷雲水峡へ。 (結局筋肉痛にもならなくて取り越し苦労だったんだけど) こっちは初心者向け、って聞いてたんだけど、3箇所回った感想ではここが一番足元が悪かった。(笑) 特にもののけ姫の森〜太鼓岩のところ。登りと下りで1回ずつ、左足首をひねって捻挫しました。^^; (ちなみに縄文杉コースは距離が長いから疲れたけど、足元は木の階段や通路みたいなのが敷かれてて、 かなり整備されてます) 一番森の景色を楽しめたのもこのコースかなぁ。 そして太鼓岩からの眺めはすごいの一言でした!!(でも高所恐怖症の人には絶対無理!!!) ここで時間がかかりすぎるようだったら縄文杉への予定を考えなおさんといかんなー、と思って 時間管理しながら登ったら標準4時間(休憩不含)のコースを、写真撮りつつ休憩しつつで4時間20分でした。 やればできるやん、おれ!! (ちなみにここで、会社の同期とバッタリ出くわした。笑)
筋肉痛が全く出ないことで調子に乗って、白谷雲水峡の翌日に即、縄文杉アタックを敢行!! …するつもりで4時に目覚ましをかけて眠りに着いたのに、目が覚めたら7時。 ヤ、ヤッテモウタ…
慌てて10分で身支度を整えて出発。捻挫は痛いけど魔法のテーピング(自己流)をしたら痛みはなくなった。 10年ぶりに巻いたけど、まだまだ腕は衰えてないぜっ! 宿のお母さんが「今からで大丈夫ですか?」って心配そうな顔をしてるので、 「午後2時まで登って、それで縄文杉に着かなくても引き返してきます」と答えて出発した。 (ていうか、車が残ってたんやから起こしてよ〜。^^;)
荒川登山口についたのは8時。 すでに駐車場に入りきらなくなった路駐の列が300m以上にわたって延びていた。 (だいたいみなさん、5時か6時には登り始めます) その最後尾に車を停めて、やっとスタート。 最初は延々と続くトロッコ道(標準タイム2時間)が続き、そこから登りに入る。(標準タイム2時間半) で、下り2時間、帰りのトロッコ道2時間、で標準タイムが8時間半くらいらしい。
トロッコ道をどんどん進む。 HIRO-UMIさんやutaさんが「あそこがきつい」と言ったトロッコ道。 でも全然平気〜♪ 出遅れたことが幸いして、周りに人の姿はほとんどないし、虫や鳥の声は降り注いでくるし、木漏れ日は綺麗だし。 気持ちよく進んでちょうど2時間で山道への入口まで。
ここに水場(川からパイプを引いてるだけ。笑)があるので水を補給して、 ちょっとお腹が減ってきたのでカロリーメイトをかじって、いよいよ山道に突入したのが10時半くらい。 ここからがしんどかったー! 登り道苦手です僕。 少し登っては休み、少し登っては休み。30秒くらいの休憩を小刻みに入れながら少しずつ登る。 写真撮りながら登るのがちょうどいいペースだったのかも。 山登りって、しんどいだけやのになんでみんな来たがるんやろ?アホちゃうか? と思いながら少しずつ歩を進める、自分のことを棚に上げたアホ。(笑) ホンマに、なにが楽しいんやろ?目的地に着いても下りることを考えたら憂鬱やのに。^^;
このコースの最も有名なスポットの1つ、ウィルソン株。 ここは何百年か前に切り倒された切り株なんだけど、中が空洞になってて祠と泉がある。 すごく静かな中に泉の水音が小さくチョロチョロと響いて、上のハート型の穴からは光が降り注いで。 不思議な力が満ちているのが僕にも感じられるところでした。 ここ、他の人がいなくてホントによかった。寝坊したオレ、グッジョブ!! と自画自賛しながら、祠に手を合わせてから何枚か写真を撮らせてもらいました。
さらに歩を進めて行くと、チラホラと上から下りて来る人たちが。 そっか、正規の時間に起きた人たちはもう下りて来る時間なんや。(笑) その中に、前日の白谷雲水峡で見た覚えのあるカップルが来たので思わず声をかけてしまった。 「あの、昨日雲水峡にいらっしゃいませんでした?」 「あ、やっぱりお会いしましたよね?」 「寝坊して今頃になっちゃいました。(笑)」 「私たちも寝坊したんですよ。何時に登り始めたんですか?」 「8時過ぎです。^^;」 「えーっ!!(絶句)…が、がんばってくださいね。^^;;;」 そっか、やっぱり8時から登るのって珍しいよね。
結局、人に一番会ったのがウィルソン株から大王杉のちょっと手前くらいの間だった。 だんだん人が増えていって、5人10人のグループとか。 そういうグループが2〜3組まとめて下りて来たりとか。^^; その度に道を譲って待つ僕。 山のルールは登り優先なんだけど… 「どうぞ、登り優先ですから」 「いえいえ、お先にどうぞ。休み休みじゃないと登れないですから。(笑)」 僕にとってはちょうどいい休憩。(笑)
そういえば山って、誰かとあったら絶対「こんにちはー」って声かけるよね? あれはなんでだろう?と思いつつ、でもそういう慣習が好きだったりする。 てか、なんで他の場所ではそういうことをしないんだろう? ちなみに屋久島にいた間はそのクセが付いちゃったのか、町でも会う人会う人に声かけてました。(笑)
そうやってとうとう辿り着いた縄文杉。 時刻は13時過ぎ。時間制限よりまだだいぶ早いやん♪
そしてその感想は1つ。
デカっ!!!
一時期、人が近づきすぎて根が傷み、弱ってしまったために今は人が近寄ることはできず、 10mくらい離れたデッキからしか見れないんだけど、逆にその全体を見ることができてでかさを実感。 (大王杉もめっちゃでかかったけど、でかすぎてどこにあるのかわからなかった。) (↑森に隠れて全体が見えないくらいでかい。笑) ピーク時には身動き取れないくらい人がいるだろうデッキも、僕と4人組の人たちがいるだけで。 誰にも邪魔されずにゆっくりじっくり見て撮ることができました。 いやー、やっぱ寝坊して正解!(笑) この木は数千年前から生きている、という本で読んで知っていたことが、 目の前に立つととても信じられなくてなんか実感の無いままにボケーっと見つめてしまった。(笑)
30分くらいゆっくりして下山開始。 山は登りより下りの方が危ないからね。 ひざを壊さないよう、すべり落ちないよう、ゆっくり確実に下りる。
そしたらアナタ! 大王杉のちょっと手前くらい(=縄文杉のすぐ下くらい)で右足に違和感が。なにかがぶら下がってる? 不届き者が捨ててったテープかなにかを踏んでしまったのかと思って靴を見てみると…
ぺローン。
…右足のトレッキングシューズのソールが見事にペロリと剥がれてしまっていたのでした。|Д`)
遭難。
その二文字が頭をよぎった。(笑)
とりあえず道端に座って靴を脱いでみる。 このソールはこのままでは元には戻らん。再起不能。 まだ靴の方に残っているゴムの部分はあるので、平地なら歩けないこともないだろうけど、 そっちには溝が切られてないので、これで下るのは滑り落ちたいと言ってるようなもの。自殺行為。
考えろ、なんとか手を考えるんだ、おれ!
案1.僕の後に日帰りの荷物を背負って登って行った人が1人だけいたので、 彼が下りて来たら予備の靴を持ってないか聞いてみる。 案2.予備の靴が無かった場合、もしくは足に合わなかった場合は、 彼に伝言を頼んで明日登って来るガイドさんに靴を持って来てもらう。
…や、山小屋泊か?^^; 山小屋の方が圧倒的に近いしなぁ。 替えのTシャツと超簡易寝袋とカロリーメイトが3箱はあるから、なんとか夜を越せないわけでもない。 先客がいるだろうから、事情を言って必要なものをちょっと分けてもらってもいいし。 かなり真面目に山泊を考え始めた時、下ろしたザックのサイドポケットに白いものがあるのが目に入った。
テーピング用のテープ!!
そう、それは例の捻挫癖のために念のため入れておいたテーピングテープ(5cm幅)だったのだ。
コレダ!!!ヽ(´▽`)/
剥がれたソールを靴の底にあてて、テーピングテープでグルグル巻きっ!! これがガムテープだったら滑るから使えないけど、こっちは布製だからあんまり滑らない! いやー、すごいなー。入れといてよかったー! てか、捻挫癖があってよかったー!!^^ 初めて足首を捻挫してから21年。初めて自分の捻挫癖に感謝したのでした。(笑)
そうやって、ちょっと歩きにくかったけどなんとか下りて下りて下りて。 山道からトロッコ道に出たのが4時ごろでした。 おおっ、いいペース!ここまで来たらもう帰って来たも同然♪
…と思った僕が甘かったのです。 そこからがめちゃくちゃ長かった。
疲れ果てた両脚。 一度切れてしまった集中力。 テープが千切れてまたも剥がれる右のソール。 曲がっても曲がっても続くトロッコ道。 歩いても歩いても線路の上。 もうみんな下山してしまい、今さら登ってくる人もいるはずがなく。 物音がしたと思ったらサルかシカ。 そして山陰の道は平地より暗くなるのが早く、5時前にはもう薄暗くなって来たのでした。
行きはそんなに長いと感じなかったトロッコ道が、帰りはめちゃくちゃ長いのでした。 うえーん、いつまで経っても登山口に着かへん… HIRO-UMIさんとutaさんが口を揃えて言ってた意味が良く分かった。 心が折れました。。。|Д`)|Д`)|Д`)
みんな、縄文杉に行くなら注意しろ! トロッコ道に着いたところで安心したらエライ目に合うぞ。 むしろそこからが山場。 登山口まで戻って、やっと無事生還やからね。
トボトボと歩き続けて、登山口に着いたのが6時半。 や、やっと帰って来たよ。。。
…と思ったら、そこから車を停めたところまでの300mが地獄の苦しみやった。 みんな、油断するな! 車まで辿り着いてやっと…(以下略)…
そんなこんなで見も心もボロボロになりながら宿に戻って速攻で入ったお風呂が 気持ち良かったの良くなかったの!(いや、気持ち良かったんですけれども。笑) 登山は、帰って来て風呂に入ってる時が一番嬉しいかも!! そっか、気持ちのいいお風呂に入るためにみんな登山してるのか!!(多分ちょっと違う。笑)
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ちなみに、Tシャツの袖からほっといても汗が滴り落ちるくらい汗かきました。 ジーンズの腰からひざ下まで汗で色が変わりました。 Tシャツを脱いだら裏地の腰の辺りが茶色に染まってて、なんや!?って思ったら 汗で濡れたベルトの色が染み付いていたのでした。 そして、首からぶら下げてたカメラ(CL)のファインダーの中にも汗が…(←これが一番やばい)
おれ、どんだけ汗かいてんねん。(笑)
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