日々あんだら
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2005年12月21日(水) いいカメラなんですよ、ホント。


こういう色が出せるカメラだとは、最近まで知らなかった。(α-7D)



ふと気付いてみると、α-7Dを買ってからいつの間にか丸1年が過ぎていた。
こないだumieに行った日がちょうど1周年の記念日だった。
この1年間にこのカメラのシャッターを切ったのは、25344回。すっかり僕のメイン機の位置に納まっている。


先日、東京でコブラさんや下山さんと飲んだ時、コブラさんから
「hideさんがα-7Dをボロクソにけなした日記を読むのが好きだ」と言われた。(笑)
確かに最初の頃、立て続けに不良品としか思えないような個体を掴まされて、すっかり頭に来ていたが、
誤解のないように言っておけば、基本的にはいいカメラだと思っている。
そうでなかったら1年間も使い続けているはずがない。
コブさんはわかってくれていたようだけど、いろいろと厳しいことを書いて来たのは、
愛情の裏返しなのである。




…いや、ホンマに。




もちろんAFでピントが甘いとか、多分割測光にすると場面によってはAEが不安定になる、
といった欠点は相変わらずである。
(でも、カメラ屋のデモ機などをいじった感じでは、AFは違うカメラかと思うくらいきちんと動いているようだ。
 最近のロットではその辺が改善されてるのかな?AEは試してないから知らんけど。)

そういう欠点は欠点としておいといて、「じゃあなにがいいんだ?」と言われれば、主にその生み出す画像なのである。
(※1.ここから先は完全に僕の主観です。)
(※2.他のデジタル一眼レフをきちんと使ったことはないので、比較論ではありません)


最近ご存知の通り、現在2月中旬の個展に向けて、出展作品をプリントして行っているところなのだが、
先日やっとA3ノビ用の保護シートが届いたので、いよいよA3ノビで出す作品もプリントしてみた。
1枚は35mm判の一眼レフにISO400のカラーネガで撮り、フィルムスキャナーで読み込んだ写真。約1000万画素TIFF。
1枚はα-7DをISO250の設定で撮り、RAWから展開した610万画素TIFF。

この2枚をA3ノビサイズで出力してみてびっくりした。
フィルムからスキャンした方の写真は粒状感がモロに出て、ザラッザラなのである。
ちょっと近くで見たら、点描画みたい。^^;
一方α-7Dで撮った写真は綺麗なのである。600万画素でも十分A3ノビまでいけるやん!って思ってしまった。

そりゃもちろん、顔を近づけて見れば、解像感は少し足りない。
1000万画素オーバーのデジタル一眼レフで撮った写真と比べてみれば、雲泥の差かもしれない。
けど1mくらい離れて見たら十分綺麗なのである。
そして、L判ならともかく、A3ノビの写真なんてものは顔を近づけて見るものではなく、
1歩離れた場所から眺めるものなのである。


これはちょっと意外だった。
単純な画素数で言ってもフィルムからのデータの方が多かったし、
そもそも600万画素クラスのCCDなんかより、35mmフィルムの方が情報が豊富、
というのが定説でもあったし。

「35mmフィルムからA3ノビまで拡大するのが無茶だ」という意見もあるだろう。(拡大率約185倍)
しかし、α-7DのCCDは35mmフィルムより小さいのである。A3ノビに拡大したら、拡大率は約430倍だ。
それでここまで綺麗にプリントできるのはすごいなぁ…と単純に感心してしまった。


※もちろんプロラボにフィルムを持って行って丁寧に焼いてもらったら結果は変わるかもしれません。
 あくまでウチの安物かつ旧型のスキャナーで読み込んで、
 家庭用インクジェットプリンターでプリントした時の話です。
 ちなみにハイライト部のトーンは、やっぱりフィルムからのデータの方が綺麗。
 中間部のトーンだと、デジタルの方が場合によっては綺麗なこともあるように思います。





あ、あと、青空の色。
「青空の色はポジで撮るのが一番綺麗」という持論は変わらない。
でも、α-7Dでも結構綺麗に撮れることに気がついた。

α-7Dには「ナチュラル」「ナチュラル+」「adobe」の3つのカラーモードがあるが、
「ナチュラル+」の彩度の高い画が性に合わなくて、いつも「ナチュラル」で使っている。
(さらにコントラスト-2、彩度-1)
この設定で空を撮ると、イマイチ綺麗じゃないのだ。というか、色が浅い。
ポジで撮るような深い青が出ない。
かと言って、彩度やコントラストを上げても、「ナチュラル+」に変えても、色が派手で不自然になるだけで、
やっぱり深い青は出ないのだった。
正直、青空の色だけは昔使っていたデジカメのDiMAGE 7Hiの方が好きだった。

ところが、である。
付け替えるのが面倒で(をい)、しばらくずーっと使ってなかったPLフィルターを使ってみたら驚いた。
(カラー設定はそのままで)

ふか〜〜〜い!!

空の色が深いのである。
イメージしてたのに近い色が出てるのである!
もちろんPLフィルターを使ったら空気中の水分の乱反射をカットできて、空本来の深い色を出せるようになる。
それはどんなフィルムでも、デジタルでも同じである。
でもなぜかこのカメラでは、その変化が急激なのだった。
分かりやすい言い方をすると、PLフィルターをつけずに撮った空の色では、DiMAGE 7Hiの方が綺麗だが、
どちらにもPLフィルターをつけて撮ると、α-7Dの方が綺麗なのである。

なんじゃそりゃ。どういう理屈やねん。(笑)

とにかく、自称『空ふぉとぐらふぁー』な僕にとって、思いがけない嬉しい発見だった。
このカメラで気に入る青空を撮るのは半分諦めてたからねー。
今後は面倒臭がらずに、空を撮る時にはPLフィルターを使おうと思います。

(※もちろんポジで撮った空の方が好きですけどね)




最近、やっとデジタルで撮ることの違和感みたいなものが消えてきた。(笑)
やっぱりフィルムの方が好きではあるけれど、デジタルも悪くはない。
フィルムにはフィルムのいいところ、デジタルにはデジタルのいいところがある。
その時々の状況や気分に合わせて、フィルムとデジタルを使い分ければいいのだ。
「フィルムだ」「デジタルだ」という前に、結局はいい写真が撮れるかどうかが一番重要なんじゃないかと、
当たり前のことなんだけど、最近そう実感している。
フィルムやCCDやカメラやレンズなんて、単なる通過点にしか過ぎない。



…ま、後は好き嫌いだけやね。(笑)


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