日々あんだら
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2005年11月18日(金) タクシードライバー


月の明るい夜は雲が綺麗だから好きだ。



今日、設計の課長と一緒にタクシーに乗った時の話。

お客の会社からタクシーで帰ろうと、タクシーが通るのを待ってたら向こうから1台のタクシーが来た。
しかし覗き込んでみると『賃走』の表示。
ちぇっ、と思って見てたら、そのタクシーが目の前にスーっと停まった。
覗き込むとお客さんは乗ってない。

「乗っていいの?」とジェスチャーで尋ねると、「どうぞどうぞ」と向こうもジェスチャーで示す。
乗り込んで「運転手さん、『賃走』のままになってますよ」と言うと、
「あ、さっきお客さん降ろして元に戻すの忘れてました。^^;」
運転手さんは頭を掻きながら表示を『空車』に戻した。


「御堂筋と○○通りの交差点まで」
そう言うとタクシーは走り出した。「それなら△△通りから××通りを回った方がいいですかね?」
…と言われてもそんなにマイナーな通りの名前までは覚えてない。
「あ、お任せします」
そう答えると運転手さんは一つ頷いてタクシーを発進させた。

次の交差点の信号待ちで前のメーターを見た僕は気付いた。
「運転手さん、『空車』のままですよ」
「あ、さっき戻した時にそのままになってました。^^;」
再び頭を掻く運転手さん。

その時下の方に目を向けた課長が言った。
「お金…置きっぱなしですよ。。」
見ると、運転席と助手席の間に、前のお客さんが置いたと思われる千円札がそのまま残されている。
「おおっ、こりゃイカンイカン。^^;」
運転手さんは三度頭を掻く。
「いやー、続く時は続くもんですね」

おいおい。
「事故だけは気をつけてくださいね」
「それだけはねー、商売上がったりになっちゃいますからねー。^^;」
いや、事故起こして最初に商売の心配ってどうなんだ?と思いつつも、あえて何も言わなかった。
運転手さんの運転は結構しっかりしてたので安心して乗っていられたこともある。



会社の目の前の信号待ちで、料金が660円から740円に上がった。
料金を払い、お礼を言ってタクシーを降りた後、僕と課長はほぼ同時に口を開いた。




「『空車』って、あと1ブロック黙ってたら良かったなぁ…」


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