日々あんだら
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2005年01月27日(木) マンゴーの奇跡(主役を奪え!編)


マンゴーと言えばやっぱりこれでしょ。(笑)


(前回からの続き)

さて、用事は午前中に終わった。
まあ僕の用事だけだったから当然なのだが、実は1時間で片付ける計画だったのが、
お客が不在で2時間かかっていたりする。
上司と一緒に来てたら、その後の彼の予定はアウトだったろう。
重ね重ね、雪に感謝である。


雪道をレンタカーですっ飛ばし、軽く反対車線に飛び出したりして、僕は駅に着いた。
乗り捨て料は痛いが、この際そんなのはどうでもいい。
立ち食いそばを一気に啜って体を温め、予定より1本早い特急に飛び乗る。
米原で雪のため10分遅れの新幹線に乗り換える。米原、大雪である。
スーツ姿でα-7デジタルを取り出して雪景色を撮る。周りの視線?そんなものは気にしねぇ。

電車の中でmixiを見ると、朝からみんなテンションはオーバーヒート気味である。
小学生か、あんたらは。そう思いながら、多分僕のテンションが一番上がっていたと思う。(笑)
彼らの日記に「行けない」とは言っていない、でも読んだ人は「来れないんだ」と思ってしまうような書き込みを残す。
…嘘はついてないよ。みんなが勝手に誤解してただけ。(笑)←得意技。

さて、どうやって奇襲をかけようか。新幹線の中で作戦を練る。
このままだと早めに東京に着くので、先にお店に乗り込んで1人1人やってくる人を「いらっしゃいませー」と出迎えるか。
でも、1人ずつ驚かすよりも、ある程度揃ったところで絶叫させる方が面白いよなぁ。
てことは…うん、こんな感じで…で、台詞はこうで…(ニヤリ)

新幹線はガンガン走り、東京に近づく。
日本海側や山側の雪が嘘だったかのように、綺麗に晴れた冬空が覗く。
「東京は暑い!」と連呼するシホさんやかめさんなど雪国人のコメントに、僕も「今日僕が行ったら『暑い』って思うんだろうなぁ」とコメントを付ける。
ほら、嘘は言ってないでしょ?(笑)


東京に着いたのは4時頃だった。
昨夜急遽予約したホテルを目指し、まずは山手線で池袋へ。
もうかなりの人間が東京都内でウロウロしてるらしいので(みんな、仕事は?笑)、彼らと鉢合わせしないように細心の注意を払う。(まあ無いとは思うけどね)
チェックインした後は、風邪を引いていることや出張続きで疲れていることもあり、マンゴーまでホテルで休むつもりでいた。


…が、なんですかこの場末感は。
池袋でこの値段だからそれなりのレベルだろうと思ってたんだけど、想像以上に場末感が漂う。
何を隠そうこの不肖hide、どんなに汚いホテルでも眠るのは平気なんだけど、どんなに綺麗なホテルでも1人でボーっとしてるのは嫌いだったりする。
…かなりの淋しがり屋さんなのだ。(ポッ)
それなのに、それなのに、である。
決して汚いホテルではない。(古いけど)
でも場末感が漂ってて淋しさが募るのである。


…あかん、この部屋で2時間いたら出かける気力が無くなる。

そう判断した僕は、誰かと連絡を取って合流することにした。
奇襲作戦を成功させるためにも、多少の味方はいた方が良い。

mixiで参加者の行動をチェックした結果、nanaさんに白羽の矢を立てて電話する。
「今何してるんですか?」
どうやら新宿でカミュさんとお茶してるらしい。
「じゃあ今から僕も行きます」
「は?なに言ってんの?(笑)」
「冗談だと思ってるでしょ?(笑)」
「え?今どこにいるの?」
「池袋です」
「…(絶句)」
第一の奇襲は成功した。

ホテルを出てJRで新宿に着く。
言われたとおり南口の改札を出て、再度電話する。
「南口出たら横断歩道を渡って右に曲がって、まーっすぐ行ったところに1軒だけポツーンとあるスタバでお茶してるよ」
そんなところにポツーンとスタバなんかあったっけ?
そう思いながらも早く行こうとダッシュでまーっすぐ走り始めた。
…今から思えば、なぜカミュさんが一緒にいたのにカミュさんに聞かなかったんだろう。。。


風邪っぴきだったのに延々走って都庁が見えてきた頃、そろそろ僕はおかしいと思い始めた。
これから歌舞伎町に飲みに行くのに、こんなところでお茶するか?普通。
不審に思い、電池切れかけのため電源を切っていた携帯のスイッチを入れる。
そこへ、すごいタイミングでカミュさんから電話がかかってきた。
「hideさん、今どこにいるの?」
「…(ハァハァ)…都庁の辺りですけど、お店どこっすか?」
「都庁!?」
「え?nanaさんが『横断歩道渡って右に曲がってまーっすぐ』って…」
「違うよー。右に曲がってすぐ左に曲がるんだよ」
…もしかして、サザンテラスのスタバなのか?
「…了解です。今からダッシュでそちらに戻ります」

え…と、ここでnanaさんに怒っても仕方がない。
カミュさんに聞かなかった僕が悪かったのである。
そう思い込むことにしたんだけど…

信号待ちで立ち止まる。携帯のスイッチを再度入れる。
カミュさんに電話。
「nanaさんに『グレープフルーツジュース飲みたいなぁ』って伝えておいてください」
やっぱり怒ってたりするのだった。(笑)


横断歩道から徒歩2分のスタバに、ダッシュで15分くらいかかって到着。
お店に入るとすぐにカミュさんのおっきな背中が目に入った。
どんな混雑したお店でも一発である。
テーブルの上にはオレンジジュース。(スタバにグレープフルーツジュースはないらしい)
そして、その向こうの柱の影に、nanaさん。(笑)
いや、怒ってないってば。ちょっとしか。(爆)


テーブルについていろいろしゃべってるうちに時間が近づいてきたのでスタバを出る。
開始時間の6時半に着いてもどうせみんな来てないだろうから、僕は時間を潰してから行くことにする。
1人で待ってるのも淋しいのでカミュさんを指名して一緒に残ってもらうことにした。
みんなには『nanaさんの電話にTV電話入れるからっ!』と約束していたので、
nanaさんには会場に行ってもらう。(笑)


カミュさんと一緒に中古カメラ屋でブラブラしてると「もう15人くらい来てるよー」とnanaさんから連絡。
おおっ、開始15分でそんなに集まるなんて、みんな今日はどうしたんだ。(笑)


そろそろ行動開始、とお店の方に近づく。遅れてきた人に見つからないように慎重に…
お店のわき道に入り、明るいところを見つけるとおもむろにFOMAを取り出した。


さあ、奇襲作戦の開始である。(笑)


まずはnanaさんのFOMAにTV電話をかける。
約束どおりTV電話をかけることでみんなに「hideさんは大阪なんだ」と思い込ませるとともに、
あったことの無い人たちには僕の顔を覚えさせて、後から驚くようにする。
うん。完璧。

TV電話の向こうには知ってる人や知らない人の顔が次々に映るが、もうなにがなんだかわからない。
みんなギャーギャーわめいているが、なに言ってるのかは全然わからない。(笑)
適当なところでTV電話を打ち切り、打ち合わせどおりnanaさんに(普通の)電話をかける。

nanaさん「じゃあ、ビールのピッチャー1つとマンゴージュース2つ追加で!」

見事な棒読み。。。
しかも多分周りはこの台詞を聞いてないな。(笑)


苦笑しつつも、カミュさんとホイアンへ続くエレベーターに乗り込むのだった。




ホイアンのエレベーターは狭かった。
他にも何人かお客さんがいたが、そこに僕とカミュさんがそれぞれカメラバッグを担いで入ると狭い。(笑)

「エレベーター出たらいきなりみんないる、とかないですよね?」
「個室って言ってたし大丈夫でしょ?」
「でもほら、個室が真正面かも…」
「じゃあ先におれが出て様子を見てくるよ」

エレベーターが到着する。
ドアが開くや否や外に出るカミュさん。僕もそれに続く…
と、いきなりカミュさんのでっかい背中が戻ってきた。

うおっ。

「いきなり左がガラス張りになってて、その向こうがすぐ個室なんすよ」
「げっ」

ここまで来て発見されたら台無しである。

「じゃあおれが壁になってるんで、hideさんはその後ろを通りぬけてよ」
「了解です」

閉まりかけたエレベーターのドアを開く。
カミュさんがガラス張りの正面に向こう向きで立つ。
その背中の後ろをすり抜ける僕。
…カミュさんをパートナーに選んでて正解だった。
これ、nanaさんだったらアウトやったなー。(笑)


入り口すぐのところにレジがあり、そこに店員さんが2人。

「すいません、奥の『イシモリ』の連れなんですけど、
ここにビールのピッチャー1つとマンゴージュース2つ持ってきてもらえませんか?」
「は?」
「で、僕に運ばせてもらいたいんですよ」
「…?」

店員さんの目が、すっかり不審者を見る目である。

「実は僕、今日ここには来ないことになってまして、みんなを驚かせたいんです」
「あ、わかりました」

…まあ、入ってきていきなりこんなこと頼む客はおらんよなぁ。(笑)
この夜1つ目の伝説は、まずホイアンの店員2名の脳裏に刻まれたのだった。


で、カミュさんと打ち合わせ。
「カミュさん、気付かれませんでした?」
「キミコンと目が合ったけど、無反応だったよ」

すごいぞ、キミコン!でもそれはどーなんだ、キミコン!!(笑)

「どういう登場しましょうかね」
「じゃあ、おれが先に入ってって、『ピッチャー1つとマンゴージュース2つ!3秒以内!!』って叫ぶから、
そしたらhideさんが持って来てよ」
「了解。(笑) そしたらできるだけ大きい声でお願いします。あと、5秒にしてください」

O型の割に何気に細かい不肖hideなのである。

ちなみに壁1枚隔てた向こう、僕らから2mのところでは宴はすでに盛り上がりを見せている。
聞き覚えのあるあの人やこの人の声が聞こえてくる。


ふふん。見てろ。数分後にはお前らまとめて絶叫させてやるっ。
今日の主役をシホさんから奪うんだっ!!


ビールとマンゴーが運ばれてくるまで、ほんの3〜4分だったろうか。
しかし、今や遅しと待ち構える僕たちにとっては、数十分の長さにも感じられた。

そして、ビールとマンゴーが到着する。
いよいよ戦闘開始である!!
2m向こうではなにも知らないマンゴー人たちが、この直後に自分たちを襲うサプライズを想像もせず、
呑気に騒いでいる。(笑)


さあ、行くぞ。
と、前を歩き始めたカミュさんがいきなり立ち止まる。
僕はそのままぶつかってカミュさんのカメラバッグにマンゴージュースをかけてしまった!!(汗)

「ごめんなさい」言おうとした瞬間、
「やばい!タキザワさんがこっち来るっ!!」

ひいぃっ!!

とりあえず3歩後退する。
が、この店のトイレは僕の向こうだっ!!
実はこの瞬間が作戦成功への最大のピンチだったのだ。

…が、タキザワさんはすぐに腰を下ろした。
胸を撫で下ろしながら、カミュさんのカメラバッグを拭く。(ホントごめんなさい。m(_ _)m)



さあ、いよいよ決戦のときである。


カミュさんが僕のバッグも一緒に持って座敷へと向かう。
「カミュさ〜ん!!」というみんなの声が聞こえ…


「ビールのピッチャー1つとマンゴー2つ、5秒以内に持ってきて!!」


カミュさんの叫び声が聞こえた。



1…2…3…

ゆっくり3つ数えてからそっと物陰を出る。


「お待たせしましたー!ビールとマンゴーでーーーっす!!!」


多分、この台詞の後半は、みんなの耳には届いていなかったと思う。




その時のみんなの絶叫をなんと表現したらいいだろうか。
少なくとも28年間生きてきて、こんな歓声に迎えられたことはなかった。
声に質量があるとするならば、この時の声には間違いなく質量があった。




ビールとマンゴーをとりあえず置いて、カミュさんとがっちり握手する。

みんなの方を見ると、驚いている顔顔顔…でもどの顔も笑っている。^^
その中で、1人だけ怒った顔が…あ、シホさん、もしかして怒ってる?

「hideさん、もう帰っていいよ!!」

言われてしまった。(笑)



少なくともこの瞬間の主役は、シホさんではなく僕だったと信じている。
ああ、気持ちいいっ!^^



こうして僕のマンゴーのクライマックスはいきなり終わったのだった。
いや、でもホント、終わってからいたるところで「やられた」だの「サプライズ」だの書かれて、
結構気持ちよかったりする。(笑)
遅れて来た人たちも、約1名を除いてみんな「なんでいるのっ!?」ってびっくりしてくれたし。^^

みんなと叫べた3時間、無理してかけつけた甲斐がありました。




今日は疲れたからここまで。

(以下次号)


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