2024年05月26日(日) |
極楽トルコリラ生活 |
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インフレに苦しんだトルコの公定歩合は50%である。日本のような低金利の国で暮らしてるとこの50%というのはとてつもない高さである。うっかり銀行でゼニを借りるととんでもない利回りになってしまうわけで、こんな状況下でそもそも融資を受けてビジネスが成立するのだろうかとオレは不思議に思うわけだ。
しかし、それを為替証拠金取引の世界で考えると話は違う。トルコリラは今1リラ=4.89円で買える.昔は17円くらいだった時代もあったわけで、かなりリラの貨幣価値は下がってしまっているのである。経済音痴のエルドアン大統領が一方的、恣意的に打ち出す金融政策のボンクラぶりがこの通貨安を招いたわけだ。しかし、さすがにここまで下げると落ち着いている。もうこれ以上下げようがないというレベルまで来たのかも知れないし、今後とんでもない混乱が待ち受けているのかも知れない。昔の1/3くらいになってしまった通貨を買うなんて怖くてできないのが普通である。
GMO外貨の「外貨EX」でトルコリラを買う場合、リバレッジを25倍にすれば10万通貨単位が2万円の証拠金で買える。そこにスワップと呼ばれる金利が毎日付与されるわけである。2万円出して10万トルコリラの買いポジションを立てれば、毎日351円(2024年5月27日時点)のスワップがもらえる。2万円に対して一日当たりの金利が351円、率にして1,755%となる。56日経てば、証拠金の2万円に到達する。1年間寝かせておけば、351円×365日=128115円/年のスワップを受け取るという計算になる。証拠金を20万円にすれば128万円、200万円にすれば1280万円が1年で受け取れるのだ。なんということだ。
そんなに金利がいいのなら世界中の投資家がこぞってトルコリラを買いそうなものだし、結果としてトルコリラの為替相場も上昇しそうなんだがそういうわけでもない。ここしばらくは少しずつトルコリラは上昇しているようには見えるが、また地震などの自然災害が起きたり、突然大統領が失脚したりということが起きるかも知れない。日本のようにボンクラが歴代の総理大臣を務める国とは違って、トルコはケマル・アタチュルクの国である。国家元首が誰なのかということによって国民生活も経済も劇的に変わってしまうのである。だから怖いのである。
今トルコの公定歩合は50%なんだが、ついこの間までは14%だったわけで、それでももちろん高金利なんだが今がキチガイじみているだけである。もしも金利を下げるということになれば暴落することは間違いないし、そうなるとトルコリラは今の半分くらいの価値になってしまうかも知れない。
まともな人は絶対に手出ししてはいけない危険な通貨、それがトルコリラである。その昔トルコリラで大損した私は自戒を込めてあえて言っておきたい。
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