2024年05月19日(日) |
人生最悪の出来事 |
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(食事中の方は後で読んで下さい。)
リビングの大型テレビで甲子園の阪神ヤクルト戦を観戦していたオレは、強い便意を感じてトイレに入った。試合の行方が気になるが、阪神がリードしているから大丈夫だろうということで便座に座ったのである。
すぐに出るだろうと思ったのだが、その日のオレの便は少し硬かったようで、なかなか出なかった。オレは自動ケツ洗い機の噴射を強くして、水を肛門内に送り込んで滑りをよくするという対策をとってみたが、たいして効果はなかった。
出ない。
強くいきんでみたが、全く出ない。どうやら肛門近くに大きなカタマリがあって、それが通過を妨げているような感じである。オレはいったん仕切り直しのつもりでトイレから出た。そして少し息を整えた。すでに15分程度の時間が経過していた。もう野球観戦どころではなかった。オレは人生最悪の事態に陥ってるのではないかという恐れを感じていた。
もうこうなるとアレしかない。アレを使えばなんとかなるかも知れない。レは最終手段をとることにした。トイレに備え付けてあるアレ、つまり浣腸を使って出すのである。オレはイチジク浣腸をケツに差し込んで、その薬液を注入し、そしてしばらく待った。
ギリギリまで耐えに耐えて、そしてその濁流を一気に爆発させればそれでオレはこの危機を乗り切れるはずだったし、普通はそうである。オレは耐えた。ぎりぎりまで耐えた。そして、もう大爆発するというその寸前で便座に腰を下ろして、一気に耐えていたものを放出した。それで解決するはずだった。
しかし、出たのは大量の液体だけだったのである。つまり、薬液が直腸内を刺激した結果、一部の液状化した便と薬液が激しく噴出したのだが、その噴出パワーは頑固な固形便を押し出す力とはならず、なぜかその固形便の横から噴出してしまったのである。
オレは絶望した。
このまま、オレはこの頑固なかたまりを排出できずに倒れ、そして救急搬送され、「便秘で救急搬送された男」という汚名を着て生きていくことになるのだろうか。
いったんトランクスをはきなおしてオレはパンツ一丁でリビングに戻った。そして大量の水を飲んだ。もしかしたら上からの水圧で押し出されるのではないかという甘い期待からだった。そうしてオレが苦しんでると、2階から妻が降りてきた。オレは自分が今どれほどの危機に瀕してるかを説明した。しかし妻は冷ややかな視線で「アホちゃう?」と一言告げて、部屋に戻って行ったのである。
オレは再度ケツに浣腸を刺した。さっきは我慢が足りなかったのかも知れない。今度こそ耐えに耐えて、そして一気にかたまりを押し出すしかない。さっきの自分は我慢が足りなかっただけだ。今度は限界まで耐えてみせると意気込んだのである。
耐えること数分、その間に野球がどうなっていたのかは全く意識になかった。オレは野球観戦よりも自分のケツの方がはるかに心配だった。もう野球などどうでもよかった。この危機を乗り切れるならそれだけで十分だとオレは神に祈った。
さきほどよりも大きな便意がオレを襲った。オレは注意深く便座に座り、その状態でさらに耐えた。絶対に中途半端な形で出したらだめだ。その爆発力を利用して一気に押し出すしかないのだ。だから限界まで耐えるのだ。
ああ、もう無理だ。これ以上耐えたら死ぬ。そこまで耐えてからオレは一気に肛門括約筋を緩めた。すさまじい勢いで直腸内のものが放出された。出た・・・・・
オレは便座に座ったままでしばらく放心していた。
立ち上がってオレは排出されたものを確認した。そこにはこれまでに一度も見たことの内ような太さのブツが水没していた。缶コーヒーよりも太い、どうやって肛門を通過したのかと思われるような巨大なものが水中に鎮座していた。
2階に上がって妻に無事に排出できたことを報告したが、妻からは「そのぐらいたいしたことないわ。女はもっと大きなもん出しとるわ」と笑われた。
あまりに太いものを出したせいで、オレはその後もしばらく肛門の違和感を感じたままである。もう二度とこんな苦しい思いはしたくないのである。
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