1月5日、オレは近鉄特急の「しまかぜ」に初めて乗車した。6号車の展望車からの後方展望は見事で、ゆったりとしたフル電動リクライニングのシートは快適だし、窓のカーテンも電動、個室BOXもあって家族連れにも便利な列車だった。これは近鉄が世界に誇れる豪華列車である。ふだんクルマで移動することが普通のオレも「いやはや、こういうのも実にいいものだぜ」と感動したのである。免許返納後はこういう豪華列車で旅をするのもいいかも知れない。
大阪から名古屋に行く場合、大阪北部に住む人なら迷わずに新幹線だろう。しかし、近鉄特急というものが大阪南部の人間にとってはより身近なのである。近鉄なんばから名古屋まで、名阪特急「ひのとり」を利用する場合、プレミアム車両で5690円、レギュラー車両なら4990円なのだ。なんばを9:00に乗車すれば名古屋には11:09 に到着するのである。新幹線のぞみなら指定席で6680円もするわけで、近鉄の方がかなり安い。「ひのとり」よりも安いアーバンライナーにすれば所要時間は30分延びるが4790円とさらに安くなるのである。高速バスならもっと安いかも知れないが、時間と疲労を考えればここは近鉄特急に分があるだろう。
そんなことを主張すると、「今はリニアの時代だ」「おまえはアホか!」と言われそうなんだが、いつのまにか全車指定にされている「のぞみ」の不便さなどを思えば、ここは空いている近鉄特急をオレは勧めたい。
しかしこの「しまかぜ」や「ひのとり」は運転区間がなんばから賢島、名古屋と限定されてるのが残念でならない。近鉄なんば線を通じて線路がつながってる三宮とか姫路まで直通列車を走らせて、新幹線の客を奪って欲しいのである。姫路−名古屋間の直通特急などが運転されるなら所要時間はどれくらいになるのだろうか。
近鉄には他にもさまざまな個性的な特急がある。関西私鉄の雄としてこれからも頑張ってもらいたいとオレは思っている。リニアが名古屋まで開通すれば、名古屋までは近鉄特急、そこでリニアに乗り換えて品川へ行くというパターンの旅になるだろうか。せっかくリニアで速く移動したのにそこから近鉄特急でのんびりというシュールな旅もまた面白いのである。
クルマを運転している場合、常に100%集中していないと事故の危険がある。自動運転はまだまだ実用化にはほど遠いし、スバルのアイサイトなどの安全機能も100%完全に事故を防ぐとは言いがたい。どんなにオレが気をつけても、信号無視して突っ込んでくる頭おかしいやつの前では無力だ。そういう意味では安全な公共交通機関はもっと評価されるべきだ。田舎で鉄道を廃止してバス転換や、ライドシェアなどが導入されていくのは今の日本の必然かも知れないが、ものすごい田舎でも鉄道が通じているというのがその土地の魅力だったとオレは思っている。新幹線の膨大な利益を使って地方のローカル線を維持していけばよかったのに、国鉄を解体なんかするから余ったゼニでリニアみたいな無用の長物を作ろうとする馬鹿が出てくるのである。
JRの地方のローカル線も、個性的な列車を走らせれば絶対に需要は生まれる。世界中に客は存在するのだ。日本の鉄道文化を世界にどうアピールすればいいのかを工夫すれば面白いのである。嵯峨野トロッコ列車みたいな観光に特化した取り組みは成功している。オレは今回のしまかぜ乗車で鉄道旅行の快適さに改めて気付かされたのである。
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