2023年02月14日(火) |
Dappiとフェイクニュース |
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2019〜2021年にかけてツイッターにはDappi というアカウントが存在し、自民党への賛同と野党への攻撃、マスメディアへの批判を主に発信していた。匿名の発信者であるにも関わらず17万人のフォロワーがいて、国会議員にも注目され大きな影響力を持っていた。ところがこの発信者はウェブ関連企業「ワンズクエスト」という法人であり、自民党や自民党議員と取引関係にあった。毎月350万円の業務委託料が自民党からこの法人に支払われていたそうだが、個人的に契約していた自民党議員もいる。その原資は政党助成金などの政務活動費である。
この法人の活動というのはさまざまなネット工作である。その工作にはいわゆる「フェイクニュース」が多数含まれている。事実では無いことを発信してネット世論を自民党に有利になるように誘導するのである。海外でもしもこのようなことが明らかになれば内閣総辞職どころか、関係の議員全員が刑務所にぶち込まれ、自民党は解散に追い込まれるだろう。ところがそこは三権分立ができていない日本、しかも総理はあのパンケーキおじさんのスガである。結局この問題はうやむやにされてしまい、マスコミもろくに追及しなかったのである。政府与党がフェイクニュイースを流し続けて国民を騙してきたということは、あの太平洋戦争中の大本営発表と同じである。
ツイッター上でこの Dappiの発言を引用して発言したりコメントを付けていた人としては自民党の国会議員である山田宏、松川るいや平戸市長の黒田成彦、また大阪府知事で日本維新の会副代表の吉村洋文、大阪市長で維新代表の松井一郎、維新の国会議員である足立康史、さらに経済学者の高橋洋一などが目立っていた。フェイクニュースの拡散にせっせと協力していたのである。それは政治家としてまことに恥ずかしいとしか言えない。国民に対する裏切り行為そのものだからだ。
Dappi の行った捏造記事で有名なのは枝野幸男を中傷する捏造動画を作成してUPしたことである。2021年6月9日、枝野幸男と菅義偉(当時首相)が党首討論を行った際に枝野は東京オリンピックの開催期間における新型コロナウイルス感染症の拡大防止策について質問した。Dappiはこの答弁の動画を切り抜いて歪曲し、枝野が感染対策を拒否してるかのような内容にしてUPしたのである。この悪質なフェイクニュースは大きく拡散されたのである。
森友学園問題で文書の改ざんを命じられて自殺に追い込まれた赤木さんの件に関しても Dappiは、その自殺の原因が野党議員の連日の追及によるものであるという記事を出して、これも多くの人が引用RTしていた。フェイクニュースを作成してそれを自民党有利の世論作りに役立てるという悪質なネット工作がDappiの主要な活動だったのである。
今、その活動を真似て悪質なネット工作をしている政党がある。日本維新の会である。維新の会のネット工作員は、吉村洋文や松井一郎の発言を褒めるコメントをつけたり、反維新的な発言をする人に絡んで中傷する。オレも維新会のネット工作員から「ロリコンじじい」という不名誉な悪口を書かれたのでツイッター社に通報したが、返答は「違反した投稿ではない」という答えだった。どうやらオレはロリコンじじいということである。
維新のネット工作員の特徴はすぐわかる。怪しいプロフィールに拾いもののアイコン画像、そして子育て中とか起業して成功とか作り物っぽい説明がされていて、投稿にはやたら絵文字を多用し、松井一郎や吉村洋文、橋下徹の考え方や発言と同じ内容のことを書き、事実を指摘してそれに反論したら「デマだ」とか「おまえは馬鹿だ」とか返してくる。およそ議論の成立しない連中なんだが、維新信者を洗脳するにはその活動が大いに役立っているのは、あのDappiに多くの人がだまされていたことを考えると納得できる。
大手の新聞社やテレビ局はこのDappiのフェイクニュース問題に関してほとんど無視して報道しなかった。だから世間の人達は基本的にこのことを知らない。おそらく日本人の9割は知らないだろう。
太平洋戦争を支えたのは好戦的な世論と国民だった。今、防衛費の増加が国民に受け入れられ、憲法9条の精神が踏みにじられ、国民主権が奪われようとしている中でそうしたネット工作員によるフェイクニュースが新たな世論形成の役割を果たすのは間違いない。フェイクニュイースを規制し、その発信者や関わった人を厳しく処罰することは急務である。しかし国会には全くその動きはない。
オレはツイッター上の維新工作員の猿芝居を見ながら思うのである。国民がどんどん馬鹿になるということは、こういうものに簡単に騙されてしまう人が増えることなんだと。教育を破壊し、貧民を搾取する道具としてFランク大学を乱立させたこともすべて「1億総愚民化」という与党の政策の延長線上にあるのだろう。そうした陰謀を阻止するためにオレに残された時間はとても少ないのである。このまま日本が劣化して滅びてゆくのをオレはなすすべもなく眺めるしか無いのかとオレは絶望に打ちひしがれている。
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