2023年01月04日(水) |
旅行支援で経済を回すこと |
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オレは税金を使ったこの「全国旅行支援」というキャンペーンは無意味だと思っていた。こんなものがなくても旅行したい人はするししない人はしないからだ。しかし、昨年末に九州を旅行してきて思ったことは、意に反して「旅行支援ありがとう」という率直な気持ちだったのである。
旅行支援でもらったクーポン分を使い切ろうと思うあまり、普段よりもたくさんのお土産を買ったり、ふだんよりも少し贅沢なレストランで豪快に食べたりということにつながったからである。結果として旅行で使ったお金はいつもと変わらなかったのである。安くなった宿泊費分以上にゼニを使ったことは間違いない。
経済を回すのに必要なことは、お金をじゃんじゃん使うことである。大阪の景気が悪化し、出生率が落ち込み、企業倒産が増加したことの理由の一つが公務員の給与を削減したからであることは、マクロ経済学の知識があれば誰でもわかる。公務員給与削減の結果として、本来それが大阪府内で消費に回っていたはずのゼニが確実に減ったわけで、マイナスの影響が起きないわけがない。日本一高かった堺市の職員の給与削減の結果として、堺東駅周辺の飲食店街がシャッター通りになったのである。
国民にお金を配って経済を活性化させても、そのお金は流通する過程で10%ずつ抜かれていく。これは大事なことなんだが、消費税というのは経済活動に対する懲罰みたいなものである。我々がモノを買う度に10%ずつの罰金が召し上げられるようなものなのだ。だから消費税を上げれば上げるほど経済活動は低調になる。
仮に国民に10兆円を配るとして、それを国民が消費活動に使った時点で1兆円は税収となる。そして残る9兆円もさまざまな人の手を渡っていく中で景気浮揚効果を持つわけである。景気がいい時は人は貯金よりも消費を楽しむ性向がある。今後の収入が期待できるから今お金を使えるということだ。そして多くの人が一瞬でもお金を持っているという状態を持つことで景気の良さを実感できるのである。お金はどんどん持ち主を変えさせないといけないし、それが「好景気」の中味である。
アベノミクスの最大の失敗は、「企業の内部留保」と「金持ちの資産」という、もっとも流動性の低いものを拡大しただけに終わったということである。ゼニを回すために必要な政策を何一つ打ち出せなかったことである。
今行われている「旅行支援」というのは、旅行業界に影響力のある自民党議員が利権のためにやってることである。しかし、この政策はかなり役立っている。それは補助した金額の何倍のもの経済効果につながっているからだ。「政府の旅行支援があるから出かけよう」という人はかなり多い。実際に旅行で支出される総額は支援金額の3〜4倍になるだろうから、乗数効果はかなり大きいと言える。
オレはお土産のお菓子を食いながらこの記事を書いている。旅行支援があるうちに次はどこに出かけようか。オレは今それを考えてるのである。
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