2022年11月06日(日) |
カタカナの書けない人たち |
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最近、正しくカタカナを書けない人が増えているような気がする。大人になってからはきっと練習することはないので。小さい頃にはできていたことができなくなってしまうのかも知れない。客観式の試験問題で記号で答える場合に「ア〜オから選べ」という選択肢にすると必ず悩むのが「ア」なのか「イ」なのかわからない文字である。
限りなく両者の特徴を備えた、「ア」のような「イ」や、「イ」のような「ア」が存在するのである。おそらくどちらを答えるか迷って、両方に判定してもらうことを狙ってるような気がする。正解が「イ」の場合、その紛らわしい文字を「これはイです!」と主張し、「ア」なら「これはアです」と主張するのだろう。とんでもない話である。
それでオレは選択肢を番号にすることが多い。少なくとも漢字よりは紛らわしさは減るからだ。ところがその番号も雑に書く生徒がいる。たとえば数字の「5」を答えるところを雑に一画で書こうとして「S」のように書くのである。「5」と「S」の大いなる違いは、一画で書く字であるか、それとも2画かということである。「5」の横棒は残りの部分とは別に書くはずで、「S」のような書き方ではないのである。正解が「5」という問題で、解答欄に「S」を書いた生徒がいていたので×にしたら。「これは5です」を抗議してきた。だったら「5」らしく書くべきだ。その生徒が別の解答欄に答えた「S」(そこはSと答える問題)と、その生徒が主張する「5」は限りなく同一文字に見えたのである。
カタカナの「エ」を書くときに、なぜか「ヱ」を書く生徒がいる。もちろん本人は「エ」のつもりで「ヱ」を書いてるのだが、それはワ行の方であり実際は「ゑ」である。現代人はその両者を発音で区別できないが、オレは国語教員なので本人が「エ」のつもりで書いていても「ヱ」を書いてる場合は×にする。オレは「エ」と「ヱ」は違う文字であると認識しているからである。もちろん選択肢に「ヱ」はない。だから生徒は「これはエのつもりで書きました」と主張するわけだが、オレは認めないのである。
他にもたとえば「イ」の一画目は斜めの線なのに、限りなくその一画目を水平に書く生徒がいる。その場合、「イ」ではなく「T」に見える。あるいは「ア」のつもりかも知れない。そういう微妙な書き方をする場合は基本的に却下することにしている。
下手くそな文字であってもいい。それを走り書きのような続け字にすると余計に読みにくくなる。だったらせめて「大きく丁寧に書け」ということなのだ。
他にも「シ」なのか「ツ」なのかわからない文字とか、「ウ」なのか「ク」なのか「ケ」なのかわからない、そのすべての要素を持っている謎の文字を書く生徒がいる。そういうのは本当に困るのである。そして、そういう書き方をする生徒は基本的に成績がよくない。よくない理由はもうはっきりしている。試験を受けるときの心構えができてないのである。それを採点する教員への思いやりの気持ちに欠けるのである。薄すぎる文字とか、消しゴムできちんと消さずに上書きされていてもとの線と重なってるのとか、枠からはみ出した豪快な文字とか、とにかくそういうのが目に付くのである。困るのである。
試験がマークシートを塗りつぶす型式なら、そういう心配はなくなるわけだが。そういう生徒に限ってマークシートであっても雑に書くのである。機械を通せずにエラーになってしまうのである。極端な話、そういうのは無条件に不合格にしてもいいくらいにオレは思っている。これは暴論だろうか。小学校の低学年できちんと「正しいカタカナ」を指導してもらいたいとオレは切に願うのである。
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