2022年09月19日(月) |
きみはチンパレを観たか? |
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「チンパレ」と言われても何のことなのかわからないだろう。オレもそうだった。いきなり「チンパレ」と言われてオレが想像するのは「珍パレ」という文字で、その文字通りなら「珍しいパレ」ということになる。そもそもパレとは何かということになる。
略称がメジャーなものはすぐに相手に伝わる。長いタイトルの映画は省略されやすい。「ハリーポッター」と言うかわりに「ハリポタ」と言うし、BTFといえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のことである。「MI3」といえば「ミッション・インポッシブル3」ということになる。「セカチュー」といえば「世界の中心で愛を叫ぶ」である。
どうして略称を使うのか。それは覚えにくい長いタイトルよりも、4文字とかの簡単なフレーズの方がすぐに頭に入るし、親しみが湧くからである。
しかし、その略称がもとの映画の素敵なイメージをぶち壊すこともある。そんな略称は絶対につけてはならないのだ。
オレは東野圭吾の小説はとても好きである。映画になったものはほぼ視ている。一番好きな作品は「白夜行」である。ただ、「白夜行」は映画よりもテレビドラマの方がずっとよかった。堀北真希よりも綾瀬はるかの方が良かったのである。
直木賞を取った「容疑者Xの献身」もすばらしい。しかしオレはもしも東野圭吾の作品に直木賞をあげるならば、「白夜行」にあげてほしかったと思うのである。
ここまで書いたらみなさんにはようやくわかっただろう。つまり「チンパレ」というのは今公開中の映画、『沈黙のパレード』のことなのである。『沈黙のパレード』を略して「沈パレ」ということなのである。どうもしっくりこないのである。その音から想像されるものが「沈」ではなくて「珍」だからである。『沈黙のパレード』が「チンパレ」と略されてると知ったらきっと東野圭吾さんは怒るだろう。
少し前に『変態仮面』というなかなかすぐれた娯楽映画があった。この映画を人に説明するときの大きな問題点は題名に「変態」という言葉が入ってることだった。「変態」という言葉にはネガティブなイメージしかない。しかし、映画『変態仮面』を視れば「変態」というのが実はオシャレでカッコいい趣味のあり方だという事実がわかるのである。ところが観ていない人にはそれは絶対にわからないのである。女性に向かって「一緒に『変態仮面』観に行こう」と誘っても「私は変態じゃない!」と断られることが普通である。そのせいか、あの映画は「HK」と省略されていた。「HK」なら何だかカッコいいアクション映画のように思えるのである。
映画の略称というテーマでこんなにも話題は広がっていくのである。湯川教授ならこう言うだろう。「うーん、実に面白い。」
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