2022年08月26日(金) |
汚泥肥料とは何か? |
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今朝、なんとなくNHKを見ていると佐賀県のアスパラ農家が取り上げられていて、オレは串カツを喰うときにアスパラがあるととても嬉しいという人間なので「うっひょー」と思って視ていた。その生産に使われている肥料がなんと下水汚泥から作られた汚泥肥料というものらしい。その農家では肥料代を年間100万円節約できたと語っていたのである。番組で紹介されていた肥料はなんと10キロ20円という安さだった。
園芸が趣味の母の買い物に付き合ってホームセンターによく行く。そこで購入する肥料の価格はけっこう高い。それと比べると10キロ20円なんてほぼタダみたいなものである。佐賀県では下水処理場できちんと処理した汚泥を発酵させてこの「汚泥肥料」を生産して農家に安く提供しているのだ。
佐賀県のこの取り組みに興味を示す自治体が多いのか、多くの都道府県から視察が来るそうである。そのスケジュールが埋まってることも紹介されていた。
ロシアのウクライナ侵攻で値上がりしているものの一つが肥料である。ロシアもウクライナも肥料の輸出国だったわけで、経済制裁の影響もかなりあるだろう。日本は食糧を輸入に頼ってるだけではなくて肥料も頼っている。だから実質の食糧自給率は数字に表れてるものよりもさらに低いことになる。
日本ではこの「下水汚泥」というのは産業廃棄物として処理されていることが多い。日本中の下水処理場でこの下水汚泥は発生するわけで、相当な量であることは間違いない。佐賀県で行われている汚泥の堆肥化ということがもっと広がれば、廃棄物の削減と肥料の国産化という一石二鳥のことが実現するのである。
ただその原料となる生活雑排水や屎尿、食品工場排水には有機物や重金属など様々な物質が含まれている。かつてはこれらの生活排水は処理されずに川に流されて水質悪化の原因となっていた。大阪府の第二寝屋川や大和川、和歌山県の和歌川などは水の汚い川の代表としてよく記事になっていたことを覚えている。
ところが近年は下水処理場で環境汚染の原因物質を微生物により分解・吸着して水を浄化する技術が劇的に向上した。そのおかげで日本中の河川はかなりきれいになったのである。微生物を使って分解吸着するときに沈殿する汚泥には窒素やリンなどの肥料の原料のなる物質と一緒に有害な重金属なども含まれる。すべてが肥料として使える条件を満たしているわけではない。カドミウムなどの有害物質、あるいは福島原発由来の放射性のセシウムを含むこともあるだろう。今、技術革新がどんどん求められてるのはその分離の精度を高める技術だと思うのである。福島原発の汚染水の浄化など、研究を進めないといけない部分はたくさんある。
日本は海外から何でも輸入している。しかし自然エネルギーには豊富に恵まれている。これをうまく活用できれば化石燃料などの輸入は減らせるはずだ。温泉に恵まれた国でありながら地熱発電などの発電量はまだそれほど多くない。廃棄物の利用だっておそらくまだまだ再資源化の余地は残ってるのだろう。持続可能な発展ということを考えればそれはますます大切だ。
ただ、世の中に「再資源化」して欲しくないものがひとつある。それはクス政治家である。不祥事を起こして追放されたはずのカスを選挙の時に候補者として担ぎ出すクズ政党がある。そういう「どうしようもないゴミ」は二度と政治の世界に復帰させてはダメなのである。政治というのはまっとうな人間だけですべき世界だとオレは思うのである。
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