2022年07月12日(火) |
山上徹也とテロルの決算 |
携帯用URL
| |
|
1960年10月12日、山口二矢(「おとや」と読む)は、日比谷公会堂で演説中の社会党委員長、浅沼稻次郎を襲撃して脇差しのような短剣で刺して殺害した。浅沼殺害時に、山口二矢がポケットに入れていた斬奸状の文面は以下の通りである。
汝、浅沼稲次郎は日本赤化をはかっている。自分は、汝個人に恨みはないが、社会党の指導的立場にいる者としての責任と、訪中に際しての暴言と、国会乱入の直接のせん動者としての責任からして、汝を許しておくことはできない。ここに於て我、汝に対し天誅を下す。 皇紀二千六百二十年十月十二日 山口二矢。
赤尾敏に傾倒し、熱心な愛国少年だった山口二矢は、当時の左翼の指導的な立場の人へのテロを計画し、そして実行したのである。当時山口はまだ17歳だった。少年法の規定により名前が伏せられたが、すぐに事件が重大であると言うことで公表された。
やまぐちおとや
やまがみてつや
二人の名前のうち3文字も重なってるところに不思議な因縁をオレは感じるのである。逮捕された後山口は「後悔はしていないが償いはする」と口にして裁判を待たず、東京少年鑑別所内で「天皇陛下万才、七生報国」との遺書を残して縊死した。
山口二矢の悲劇は、真の売国者が実はCIAの工作員であり、かつ文鮮明に協力して国際勝共連合の創設に尽力した岸信介のような連中であり、むしろ浅沼稻次郎は民衆のために戦った人であることがわかっていなかったということである。もしも浅沼が生きていれば、日本の政治は大きく変わっていたことは間違いない。浅沼以後の社会党の委員長には凡庸な人物しかいなかった。土井たか子や村山富市などはレベルが低すぎて話にならない。
岸信介が大きな役割を果たした「国際勝共連合」は、政治家にも多くの信奉者を生み出し、一方で統一教会は原理研究会というサークルを通して大学生に浸透していった。学生たちの中に多くの被害者を出し、霊感商法で高額なツボを売り、裁判でも訴えられた反社会的組織である統一教会は、オウム真理教と違って巧妙に政治家に食い込み、官僚機構やメディアの中に入り込んでその支配を確実なものにした。信者から巻き上げたゼニは年間で1000億とも言われる。この犯罪収益は本部のある韓国に送金されたり、政治家への献金としてばらまかれているのだが、そのゼニの流れを追うことは困難である。カルト教団の常として、幹部はそのゼニをしっかりとフトコロに入れていて、搾取されてるのは末端の信者だけだからである。
父の死後、母が統一教会に入信したことで家計が破綻し、教団に深い恨みを持った山上徹也は奈良県有数の進学校である郡山高校に在籍しながらも大学進学できず、専門学校に進学後自衛隊に入隊する。自衛隊に入れば家族からも離れることができるし衣食住も与えられる。山上徹也の母は2002年頃に破産したということだが、その頃に彼が海上自衛隊に入ったというのは、破産によって住むところも失ったからなのかも知れない。
自分たち一家の幸福を破壊し、親を破産させた統一教会に対して深い恨みを持った山上徹也は、その幹部に対してのテロを実行しようと計画した。強い意志とそして知識がその計画に現実性を与えた。教団幹部へのテロが困難であることを知ったとき、彼がそのターゲットを広告塔としての役割を果たしていた大物政治家に変更したことは、テロというものが「影響力のある大物ほど効果がある」わけだから彼の中では整合性がとれていたはずである。
統一教会は保守系の政治家と深い関係を持っている。その教義には夫婦別姓や同性婚を認めないとかいう項目があり、自民党がこの2つを懸命に阻止しようとしている理由がこんなところにあるのかと思わせる。憲法改正も含めて、自民党の目指そうとしているところは統一教会の目指そうとしているところとかなり重なるのである。それは自民党が統一教会の支配下にあると考えれば納得できる。オレは自民党は竹中平蔵に支配されてると思っていたが、実際はもっとヤバい組織の支配下にあったわけである。国民から搾取したゼニを海外送金しているという点で、真の売国組織は統一教会であり。売国政治家はその影響を受けた自民党の連中だったわけだ。1999年の週刊現代には統一教会と関係のある政治家の一覧表が掲載され、もはや自民党=統一教会であったことがわかる。
カルト教団であるオウム真理教はサリン事件を起こしたことでつぶされたが、すでに日本征服に成功している統一教会はそんな事件を起こす必要はなかったのである。
山上徹也は統一教会の組織について必死で調べた。そして最終的に安倍晋三をテロルの標的に選んだ。それは逆恨みでも何でもない。彼なりに考えた末での結論である。マスコミの報道は「逆恨み」を強調しているが、岸信介がもう故人である以上、その孫を標的にしたというのは逆恨みではない。
オレがここで「逆恨みではない」と書いていることが、読解力の不足する馬鹿からは「あなたは山上徹也を擁護するのか?」と言われそうだが、オレはそういうことは意図していない。SPに警護された要人へのテロは極めて困難なものであり、山上徹也がそれを成功させられる可能性は限りなく低かったはずである。彼のテロが実現したのはただ単にその瞬間に大きなスキができるほど警備体制が杜撰だったからである。
東国原がテレビで「信仰の自由」「お布施は自由意志」などとほざいていて、この馬鹿はカルト教団の本質を全く理解していないことがわかったが、おそらくマスコミの論調は「統一教会の擁護」に終始するだろうし、山上徹也の母が巻き上げられたゼニも過小に報道されるか、あるいは直接の関係者による詐欺犯罪と矮小化され、それが組織的なカルト宗教犯罪であるということは隠蔽されるのだろう。
今、山上徹也の胸裏にあるのはおそらく「テロを成功させた達成感」である。これは間違いない。そういう信念を持った人を「おかしな人」と強調することはおそらくマスコミの統一見解であり、そうやって「統一教会」というこのカルト集団をこのまま存続させて、政治やマスコミを支配させたいということははっきりしている。
オレが訴えたいのは、与党である自民党が統一教会に支配され、公明党は創価学会を母体にしているという憲法違反の状態で日本の政治が行われ、その与党が過半数の議席を持っているということである。自民党がそのような宗教カルトのクソ政党であるのに多くの人がそこに投票しているのである。
山口二矢は右翼のカリスマとなった。山上徹也はどうなるのだろうか。ただの「頭おかしい人」として葬り去りたいのがマスコミの意図なんだろう。
←1位を目指しています。
前の日記 後の日記