2022年04月27日(水) |
『鎌倉殿の13人』が面白い |
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大河ドラマ、『鎌倉殿の13人』が面白くてハマっている。しかし、オレの母は早くも「よくわからない」と言ってリタイアしたのである。面白いか面白くないかを分けるポイントはただ一つ、その時代の史実や定説を知ってるか知らないかということである。
先週は木曽義仲と九郎義経の戦いが面白かった。平家物語では巴御前が活躍する場面がこのように描かれる。
巴御前は愛する義仲から「戦場に女連れで居たと言われれば恥」と言われて泣く泣く離れることになる。最後に一働きして見せるために、御田八郎師重の首をねじ切って捨ててしまった。それから東国へ落ち延びていったというのが平家物語の記述だ。
ところが『鎌倉殿の13人』ではその首をねじ切るシーンなどなく、奮戦はするものの取り囲まれて生け捕りにされ、和田義盛の捕虜にされてしまうのである。
義仲の乳兄弟である今井四郎は最後まで戦った後、主君の義仲が石田次郎為久の郎党に打ち取られと知って、太刀の先をくわえて馬から飛び降りて貫かれて死ぬと書かれているが、そんな場面はなかったのである。巴も今井四郎もどちらもオレがすごく期待した場面なのに残念だったのである。
ただ一つオレが評価したいのは、巴が「義仲の側女か?」と問われて、「違う、一の家人だ!」と言い返すところがたまらなくカッコいいと思った。「愛人なんかじゃない。共に戦う仲間なんだ!」と啖呵を切ったところにオレは痺れたのである。
菅田将暉演じる義経が、どちらかというとダークサイドの人間として描かれるのもまたたまらなくいいのである。これまでのカッコいい義経像をぶっ壊してくれるのが最高だ。だまし討ちでもなんでもとにかく勝てばいいという合理主義の精神を三谷幸喜がうまく表現してくれているのである。梶原景時が義経を「軍神(いくさがみ)」と評するところもたまらなくいい。そして畠山重忠がそんな義経のすごさに心服していくのもよくわかる。
こうして考えるとオレの感じる面白さというのはやはり「いろいろと史実やこれまでの描かれ方を知ってる」から感じられる面白さであり、面白くないと評する人はやはり「思っていたのと違う」「なんかよくわからない」ということなんだと思うのである。
オレはここから先の展開が楽しみでならない。たとえば源実朝の暗殺をどのように描くのか。鶴岡八幡宮で小栗旬演じる北条義時は将軍に付き従う御剣の役を「体調不良」を口実に源仲章に代わってもらうのである。その源仲章は実朝と一緒に殺された。もしも北条義時がその場にいれば殺されたはずであり、難を逃れたのは自分が実朝暗殺という陰謀の黒幕の一人だったのではないかとも考えられる。そのあたりを三谷幸喜はどのような説を採用するのかが本当に楽しみである。
尼将軍と呼ばれた小池栄子演じる北条政子は今回のドラマのもう一人の主役である。オレはけっこうこの女優さんが好きなのである。結局ドラマを観る観ないという選択肢は、好きな女優が出てるかどうかということに大きく左右されるのである。もちろん宮沢りえも大好きなのである。
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